2012年04月19日

賀茂葵と桜草

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 賀茂葵と桜草、今年は随分親株と離れた所で芽を出していたり、石の隙間から顔を出していたり、更に勢力を拡げ益々元気いっぱいです。 このふたつ、好きな場所が似ているのか今のところ自然に共存し仲良くやっているようです。 賀茂と桜、日本の神様を象徴するような植物が、私の小さな庭でも生き生きと暮らしてくれていることが嬉しいです。

【写真】上:2010-04-17 下:2012-04-19
 照りのあるハート型、葵の御紋で有名な葉脈があるのが賀茂葵(双葉葵)。花は、神紋の如く二枚の葉陰でひっそりと咲いています。 賀茂葵の花は、記事下のタグで過去ログを探すとみつかります。
 産毛に覆われた鋸歯のある長めの葉と桜型の花が桜草です。 



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2012年04月08日

ケロの木瓜

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 前の家への引越しの時=ケロが入園した時に我が家に来た木瓜の木。 当時の新品種で「小桜」?だったか…。 その接木苗の新品種部分はどういう訳か元気いっぱいなものの数年間一度も花が咲くことなく、何年後かの暑い夏、キャンプに出かけている間に水切れで復活することなく枯れてしまいました。 諦めきれずに鉢を取っておくと翌年の春に新しい芽吹きが。 恐らく接木株の台木の芽とは思いつつ、花が咲くのを待って待って16年。 ついにこの春、可愛らしい蕾を数個を発見しました! 
  
 『まぁ、台木だし丈夫が取り得の普通の真っ赤な木瓜だろうなぁ…』

 と思いきや、お釈迦様の誕生日「花祭」の日に花開いたのは、公園や他所のお庭で見かけ子供の頃からず〜っと欲しいなぁ…と思っていた、ふっくらとした大きな花びらの咲き分けの品種!! 蕾がついただけでも飛び上がらんばかりの嬉しさでしたのに、咲いてまたまた数倍の嬉しさでした。 こういう丈夫で良く咲く古くからの品種って意外と流通してないことが多くないですか?

 いつしか「ケロの木瓜」と呼んでいた記念の木の花が咲いてくれて、なんだか縁起のいい春になりました。
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2011年08月12日

白鷺の初飛翔

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 一心なる祈りを捧げてのち、今年最初の白鷺が一羽、焼けるような夏の日差しも跳ね返し、清々しく飛び立ちました。

 天は何故汝(なれ)に翼を授けたか 

            羽ばたきて知れ白鷺の花  (山桜)


ラベル:サギソウ
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2011年06月09日

瓔珞筒アナナス

瓔珞筒(ヨウラクツツ)アナナス
 パイナップル(アナナス)科ツツアナナス属
 学名 Billbergia nutans、英名 Queen's-Tears、 漢名 垂花鳳梨
 南米原産 昭和初期に日本へ渡来
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(注:残念ながら写っている葉は殆ど水仙のものです。ごめんなさい。)

 もう何年前になるでしょう…チャチャさんの所で「この花の名は…?」と問われ、初めて見る不思議な花でしたが、葉っぱの様子(両側から抱き込むように重なる・やや肉厚で細く尖った葉・付根にノコギリ状の縁取り)と花の形や付き方から「アナナスの仲間かな?」と目星を付けて調べてみたのが最初でした。
 
(瓔珞というのは、貴金属や貴石を紐に通して繋いだ装飾品で、元はインドの貴人が用いていました。 今では、仏像の首飾や宝冠、天蓋の装飾、仏前の荘厳(飾り)などに見られます。 筒とつくのは、花がピンク色の細長い筒丈の鞘?からこぼれ出すように咲く様子からかと思います。)

 今は亡きお母様の思い出のお花ということで、名前が判明した時には、とても喜んで戴けたのが嬉しく深く印象に残りました。 それから暫くして、チャチャさんはなんとそんな貴重な苗を届けてくださり、我が家に根付くこと3年目の春、あの虹の光を集めて滴らせたかのように見事に花をつけてくれたのです。 これこそ正に瑞兆に間違いなし^^♪ 雨上がりの露の中で花が咲いているのを見つけ、我を忘れ思わず喜びの声を発し跳ね上がってしまいました!(さかなクン?)

<栽培環境>
 (お問い合わせがありましたので、追記いたします。)
 東京多摩北部、地植えです。 
 降霜、氷結ありでしたが元気に越冬しました。 
 南米原産植物の割りに寒さに強いようです。
 尤も南米も寒暖の差が大きいので適応力があるのかもしれません。 
 建物の東南・プラムの樹下・冬季は水仙の葉に囲まれていたことで、
 寒さから護られたこともあるかもしれません。

 原産地では、着生植物として暮らしているとのことですので、
 根元に向けて抱き合わせになった葉の間に溜まる水で十分です。
 水の遣り過ぎだけは、根腐れを招くので避けてください。

 
posted by 山桜 at 23:03| Comment(10) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月02日

庭の新顔

 先にお届けしたような様々な4月の花の彩りの影で、見慣れない芽がニョキッと顔を出し、もしや…とドキドキ気になっていました。 最初はツンとトンがった先が見えただけでしたので、大き目のドクダミ?かとも思いましたが、角のようにグンと伸びて、どうも様子が違います。
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2011-04-17 尖がり芽の下から葉っぱが開きだし、あぁ、やはりこれは…
もう、この仲間のファンの方ならお分かりでしょう。 
ちなみに、周りに生えている庭の仲間たちは、ツリガネニンジン(山で旨いはオケラにトトキのトトキ)、フジバカマ、ツルニンジン(ジイソブ)の双葉、ムラサキケマン、イモカタバミ等など…。
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今にも尖がった先が開きそうにブルルンと震えました!

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2011-04-20 ついに開きました! 
似たような仲間が多いですが、多分これは…

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鎌首をもたげた「マムシグサ」ではないかと思います。 
まだ若い株なので特有の茎に浮かぶマムシ模様が薄いようです。

ちょっと失礼して縞々の「仏炎苞」の中を見せてもらいましょう…ごめんなさいね〜
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この仏炎苞の中で目立つ白い棍棒のような部分は(花の)「付属体」と呼ばれ、この下に株によって小さな雄花か雌花が固まって咲きます。 この仲間は、株が小さい内は雄花が咲き、大きく充実してくると雌花が咲くという「性転換」をします。 またこの「付属体」の部分の役割は、ハッキリ分かっていないそうです。 なんなのでしょうね〜 なんとなく虫を誘う妖しいワナかオトリのように思っていましたが…。 これを機に地道に観察するのも面白いですよね!

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2011-05-02 今は小さいながらも堂々とした風格となりました。 

 マムシグサの秋に実る赤い粒々の実には毒があるのですが、どうやらジョウビタキはそれを消す酵素を持っているのか、この実を食べるのだといいます。 だとすれば、ここ数年、我が家を毎秋〜冬のテリトリーにしているメスのジョウビタキの置き土産かもしれません。 そういえば、いつの間にかジョウビタキの声も聞こえなくなっていました。 お別れも告げず、そっとお土産だけ置いてシベリアの方へ帰っていってしまったのですね。 また寒くなったら戻っておいで、ビタコちゃん。
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2011年04月30日

4月の庭

 あっという間に今年の4月は過ぎてゆきました。 日々慰めて貰いながら、ブログに載せることも出来なかった庭の花々…。 雪も降りそうな月初めから半袖で過ごせそうな初夏の月末。 例年にも増しての気温差を経験し、昨晩からの春の嵐に翻弄され、そろそろ5月の花たちに襷を託す頃のようです。 
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(写真上から)ユスラウメ、ニワウメ、フタバアオイ、ミニ水仙(黄色「テタテータ」白×クリーム「ジャックスナイプ」)、ギボウシ、ヒヤシンス、ネモフィラ、ピンク水仙「ピンクチャーム」、ヒメリュウキンカ「烏葉」、ハナカイドウ、ラッパズイセン、チューリップ「ホランド・シック」、ユリ咲きチューリップ「バレリーナ」、リキュウバイ、ハナズオウとムスカリ、イチリンソウ、サクラソウ、イカリソウ「夕映え」、原種ラナンキュラス、イングリッシュ・デージー、ヤマブキソウ
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2011年04月09日

八手花笠(レンテン・ローズ)

 チャチャさんに戴いた八手花笠(ヘレボルス属のレンテン・ローズ)、2年目の4月を迎えると共に、魅惑的な蕾をむっくりと擡げて、ご覧のように見事に咲き始めてくれました! チャチャさ〜ん、とっても素敵なお花が咲きましたよ〜♪ ありがとうございます^^

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まだまだ沢山の蕾があります。 一つの花が、といっても花弁に見える部分はガクなので、花姿も崩れず咲き続ける期間がとても長いようです。
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 レンテン*・ローズの和名は「八手花笠」の他にも、「寒芍薬」「節分草」とも呼ばれるようです。けれど芍薬も節分草も昔ながらに親しまれている別の花がちゃんとあるのですから、私は用いたくありません。 

「寒牡丹」と言えば、特別に手をかけ未だ寒い時期に咲かせる二季咲き牡丹をさすのですから、それに対比して早く咲かせた「寒芍薬」かとも思われ紛らわしいです。

「節分草」にいたっては、私の大好きな本家の花がありますのに、後から来て名前の乗っ取り?はあんまりと思います。 多分よく名前が分からなかった頃に図鑑などで探して、花の雰囲気が似ているので取り違えたのではないかと思いますが…。

 それらに比べれば、見たまま表現は否めませんが「八手花笠」はいっそ潔い。
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 葉は、確かにヤツデの雰囲気を持っていますし、

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 花姿は花の笠そのものです。
 
 またご存知の方も多いと思いますけれど、園芸店などで「ヘレボルス属」のことを総称して「クリスマス・ローズ」と呼んでいることがあります。 日本ではキンポウゲ科クリスマス・ローズ属との属名がついてしまったので、仕方がないのですが、元々「クリスマス・ローズ」は、イギリスでクリスマスの頃に咲く、ヘレボルス属の中の「ニゲラ」という白い花を咲かせる原種のみをさします。(白花なのにニゲラ=黒い、という名なのは、薬草として用いる根の部分の色が黒い為)

 それに対して3月〜4月の復活祭の頃に咲くヘレボルス・オリエンタリス種を「レンテン*・ローズ」と呼びます。 また、中国〜ヨーロッパまでの原産地も色々の原種を掛け合わせたハイブリッド種も沢山出ており、この仲間の総称としては「ヘレボルス」を用いるのが妥当と思います。 しかし、この「ヘレボルス**」の語源が実はちょっと不穏なので、知る人には好まれず広まらないのかもしれません。

 ヘレボルスは、昔から高い薬効が知られ、薬=毒、「悪霊を祓う植物」として植えられて来た歴史も持っているそうです。
 

*レンテン:レント=復活祭46日前から前日迄の日曜を除く40日の潔斎期間。
      復活祭(イースター)が「春分の日の後の満月の次の日曜」とされ、
      毎年日が3月末〜4月末頃の間で変わってしまう為、大体その頃の
      期間ということで、イースターではなくレンテン(レント期間の)
      を用いたのではないでしょうか。

*ヘレボルス:ギリシア語 hellion(殺す)+bora(植物)


 と言うことを踏まえますと、和名も貰い確かに山野草の趣はありますが、「茶花」としてはどうなのでしょう…。 知ってしまうと戸惑いますね。 

<追記> 「人を殺める」というより「悪霊を退散させる」「魔除けの」植物と考えれば良いですね^^


posted by 山桜 at 15:03| Comment(20) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月07日

梅の春

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蝋梅、水仙、梅、沈丁花…寒さの中で健気に咲く花々は、品のある香りで春の訪れを知らせてくれます。 人間の感覚の中で、一番記憶を蘇らせるのは嗅覚なのだそうです。 香りと共にある記憶は、ある日突然、その香りと共に蘇ります。 

梅の花の香りは、母方の祖母の思い出。 
白梅が咲けば、庭の陽だまりで小さくなった背を丸め草を摘んでいた姿を思い出します。
 

おばあちゃん、今年も庭の梅が咲きました。
あの日、別れを惜しんで泣いていた幼稚園の娘が、
今年、成人の祝を迎えました。

目を細めて喜んで下さった私の成人の日の晴れ姿。
あの日と同じ振袖を着て。


posted by 山桜 at 17:29| Comment(20) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月03日

「笹百合」「ル・レーヴ」と「3」

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        2006.06.19 都立薬用植物園のササユリ

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        2010.07.01 家の庭のル・レーブ


 いつの頃からか「三・3・V」という数字が好きで、勝手にラッキーナンバーと思っています。 お習字で「三」の字を書くのも好き。 三本の線が天・人・地を表しているようで、広大な平原に一人立ち大空を見上げているような晴れやかな気持ちになります。 

 先日の野花菖蒲から、やゆよんと、アヤメ(アイリス)科とユリ科の花が、「3」に深く関っている話しに広がって、久し振りに一寸そちら系?の興味がトキメキ出しました。

 日本の百合がヨーロッパに渡って交配され、数々のオリエンタル・ハイブリッドと称される園芸品種が作り出されました。 我が家の古株「ル・レーヴ」も、遺伝子を調べた方により日本在来種の「ササユリ」の血が流れていることが分かっています。

 ササユリに憧れて2度球根を植えましたが、噂に違わぬ難物、出来るだけ自生地に似せたつもりで栽培しても我が家の環境に合わず、可哀想なことをしました。 反対にル・レーブはもう彼是10年以上植えっ放しなのに、毎年立派な花を幾つも咲かせてくれます。もう、高望みはせず、ササユリの血を引く丈夫なル・レーブで、憧れのササユリの姿をしのぶことにしましょう。


 いつもながら、前置きが長い。


 さて、ササユリと言えば「笹百合」と書いてしまうことが多いのは、葉が笹のようだからとも、竹や笹原のような環境を好んで群生することからだとも。 

 一方、一早く咲くので「早百合」、旧暦皐月に咲くので「皐百合」、繊細で美しいので「小百合」という説もありますし、実際「サユリ」と呼ぶ地方もあるようです。

 また古くは佐韋(サイ)の呼称が「古事記」にあり、今でも「三枝(サイクサ)」といえばササユリのことであり、茎の先が三つに別れて花を三つ付ける様子からかと思われます。
(上の写真のササユリは細茎にやっと一輪だけ咲かせた感じです。
 健全で充実した株はちゃんと三枝に別れて蕾を付けます。)

 3月に参拝した、ササユリの自生保護地のある奈良・桜井の大神(おおみわ)神社の狭井神社や狭井川の地名「狭井」とどちらが先なのでしょう。 サイクサが咲くからサイなのか、サイに咲くからサイクサなのか?

 同じく古事記には、大神さま(大物主大神)の姫、姫蹈鞴五十鈴姫命は美しいササユリ咲く狭井川の辺で神武天皇に見初められ皇后に迎えられたとあります。 

 その五十鈴姫が祀られている奈良市元子守・大神神社摂社・率川(いさがわ)神社では、毎年6月に大神神社からササユリが奉献され「三枝祭」「ゆり祭」が行われているそうです。 何故、そんな離れた所に姫神を祀る大神神社の摂社があるのかも不思議。 嘗ては春日大社とどちらの摂社かで揉めたこともあるとか。

 大好きなササユリが「三枝」という名で「三輪」の花を付け、「三輪」山に自生している…なんて素敵な話でしょう♪ 

 百合の花を良く見れば、3弁の花びらの外側に3弁のガクが合わさり、6弁の花びらのようになっています。 もう「三三百合」とでも書きたい気分。

 「ささ」はお酒の意味もありますし、大神神社の三つの茅輪をくぐり大祓いして戴き、お神酒まで頂戴したようで、清清しい七月の三日を迎えました^^
posted by 山桜 at 15:00| Comment(16) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月27日

野花菖蒲

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6月16日、旧暦五月五日の端午の節句の日、我が家の野花菖蒲が、苗を育てて3年目、ようやく初めての花を咲かせました。 園芸改良種のような大輪の華やかさ、色合いの多様性はありませんが、気高い紫色にほんの少し黄色の差し色が効いています。 鋭い剣のように延びた葉の上に姿勢良くすくっと花開く。 正に神様の意匠、上品そのものです。

(写真は光の加減で色合いが薄く見えますが、実際はやや赤みを帯びた深い紫色。 やや厚手の質感は表千家流の男性の袱紗にも似て。)

 上から見た姿、この3・3・3と広がる幾何学的配置の美…。

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 横からと上から見た花と、同じ花とは思えない程の神秘的な形。
神様はきっと何事か、この花に秘め事を隠されたに違いない。
そんな妄想にうっとりと浸らせてくれる野花菖蒲です。

 <追記 2010.06.30>
アヤメ・カキツバタ・ハナショウブの見分け方については、以前書いたこちらの記事にありますので、ご興味のある方はどうぞ…

「花菖蒲・文目・杜若」 2007.06.09記
「野花菖蒲・笹百合」 2006.06.19記

 月日の過ぎるのはあっという間、写真だけは辛うじて撮ってみるものの、ブログの更新ままなりません。 慌しく過ごしてはおりますが、いたって元気にしております。わーい(嬉しい顔)
posted by 山桜 at 18:42| Comment(14) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月10日

庭の世代交代

最盛期の頃の賀茂葵(フタバアオイ)の親株
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親株から伸びた蔓の先で育った新株(親株のあった所は露地に)
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1m程離れた場所に蟻が運んだ親株の種から育った子苗
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2009年花を咲かせたイチリンソウの株
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2010年 蕾はつけず地下茎を四方に伸ばし陣地昨年の4倍に広げる
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去年までは名前と反対に大勢で賑やかに咲いていたヒトリシズカ
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2010年、大株は綺麗に枯れ果て、こぼれ種から新芽が育つ
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2年〜3年目の新株にやっと花が咲く
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 今年はどうやら私の庭でも新旧一新の風が吹いているようです。

 山野草を育てていると、ある年突然に枯れてしまうという話を良く聞きますが、それはきわめて自然な現象です。 何年も同じ場所で動かずにいれば、そこの土は栄養も酸素も不足しますし、根や株が密集すれば病虫害も発生しやすくなります。

 そこで歩いて移動できない植物は新しい住処を求めて、地下茎を伸ばせるものは伸ばし、種を飛ばせるものは出来るだけ遠くに飛ばし、虫に種を遠くへ運んでもらうために魅惑のエライオソームを装備するものもあります。

 鉢植えの場合、植え替えが必要というのも同じ理由からです。 私は毎年植え替えをするほどマメではないので、出来るだけその植物が伸び伸びと育てるような環境を作り地植えにしています。 

 この場合、毎年同じ場所に居続けて貰う訳にはいきませんので、庭の様相も毎年自然に少しずつ変化していきます。 この時に予測できない意外な変化が、庭守りの楽しみの一つです。
posted by 山桜 at 21:20| Comment(10) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月08日

いかり草

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 【碇(イカリ)草(メギ科)】 

 花の形が船の碇に似ているところから命名と云われますが、強壮薬草として有名なので、そちらからの命名ではないかと以前、椎親父さんが書いていらっしゃいました。 日本人は掛詞が好きなので、両方の意味を込められているのかもしれません。 こんな儚げで繊細な花に何とも無粋な名前をつけてしまったものと、ちょっと「怒り」も沸いて来そうな…

 美しいけれど妖しい。 春風に心波立つような頃に咲く花です。

 ピントずれ写真ですみません。 手の固定が甘かったかなぁ

<追記 2010-04-10>

 玉井人さんにコメント頂戴し、「碇」草という名前についてあれこれ考えを広げている内に、この植物の性質の強さ、

 『一度根(碇)を下ろしたら滅多に枯れない(動かない)』

 このことも「碇」のイメージに一役買っているのでは、と思いあたりました。 そうしてみると、「イカリソウ」は、実によく色々な性質を盛り込んだ命名で、なかなかどうして名銘にさえ思えてきました。 (←いい加減) 

 う〜ん、やはり「名前」に秘められた謎は面白さ満載でするんるん


写真・上 「夕映」
写真・下 「品種名不明」 日本の黄花碇草とは違うので洋種かな?
                 戴きもので未だ調べていません。
 
 
 
posted by 山桜 at 09:15| Comment(4) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月28日

陽だまりの黄色

     このところ、なんだか頭に血が上ってばかり…。 

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こんな時は、何も考えず庭に出るのが一番です。

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                   少し湿度が増し、なんとなく霞がかった
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小さな花々がそこかしこで、黄色い太陽の光を一身に集めて

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                   嬉しそうに笑っていました。

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       今年もまた春が来て、花を咲かせて嬉しいね。

       私もあなたと一緒にこの春を生きています。 


ラベル:私の庭
posted by 山桜 at 16:31| Comment(20) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月01日

対ゴーヤ10勝5敗

 眩しい太陽晴れが恨めしいような『暑〜っ!!』と言う日も数える程で早8月も終わり、例年なら茂って手に負えなくなる緑のカーテン・ゴーヤも、何だかパッとしない内に急速に元気を失ってきました。

 それでも最初の内は『またゴーヤ〜?』と言われつつも毎日のように収穫でき食卓を飾ってくれました。 (今年は、そろそろF1種の品質が劣化してくる頃なので、ヘチマ台に接いだ苗を1株購入し、去年のこぼれ種から育った2株を添えました。)

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 盆笊からはみ出すほど大きく育ち元気あふれる頃のゴーヤの実

 ゴーヤの葉は、ご存知の方も多いと思いますが、スイカの葉と同じ様に細かい切れ込みが入っていて、その葉の揺れる影の下、ボツボツだらけの実が上手にカモフラージュされ隠れています。 スイカの葉も縞々模様の実を隠すのに丁度都合がいいような形ですね。 

 そんな風ですから、毎日注意して見ているつもりでも、『エエッ、こんな所に成ってた?』と驚かされたり、知っていたのにあっという間に黄熟してパンと爆ぜてしまい『あ〜やられた〜!』とため息をついたり…。 私の目から逃れて完熟し種を飛ばしてしまいたいゴーヤと、青い内に収穫し美味しく戴き家計の足しにしたい私との一騎打ちが続きました。

 めっきり涼しくなってしまった最近、南国の植物ゴーヤは精力が衰え黄色い葉っぱが目立ちだし、実もあまり大きく育たないまま熟してしまうので、取り損なって破裂!のパターンが増えました。 葉を黄色くし黄熟する実を隠す。 これもゴーヤの戦略の内ですから敵もなかなか手強いです。 今の所、私の10勝5敗。 種なんて、一つ熟して飛ばせれば十分でしょうに、悔しいなぁ!

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  取り損なって黄熟した実/破裂した実/ミニトマト・アイコ

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破裂した中から飛び出した赤い種  赤い膜の中の複雑な模様の種

 この種の周りの赤い膜はヌルヌルしていて甘みがあり、『美味しいですよ〜どうぞツルリと召し上がれ〜』と言わんばかり。 膜ごと丸呑みさせ、何処ぞ離れた場所に中の種だけを落とさせようという戦略構造です。 

 この状態になると、最早緑の頃に食べていた苦い実の部分も柔らかになってしまい、炒めてもグズグズで美味しくありません。 沖縄では子供がオヤツがわりに食べるとも聞きました。 私も試して見ましたが、敢えて黄色くしてまで食べたいと言うほどの甘さ・美味しさでは無いかな〜^^;


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ラベル:ゴーヤー
posted by 山桜 at 19:54| Comment(13) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月12日

山アジサイ七変化

 6月10日、関東甲信越地方は梅雨入りした模様?とのこと、
雨の似合う花、目下マイブームの山紫陽花(ヤマアジサイ)の
移りゆく様子を撮り溜めた写真を並べてみました。 

 少しずつ変化しながら長い期間、それぞれの趣を愉しませて
くれるこのアジサイの仲間は、山の沢沿い等の清涼で湿気のある
場所に自生(別名:沢アジサイ)、株も大きくならず花穂は直径
5〜8p程、葉は薄く細めで艶はなく、万事控えめな愛らしさです。

 関東地方の在来種は白っぽい花が多いのですが、地域によって
色が異なり、また花形も様々な変化を見せてくれます。


  【七変化(しちへんげ)】       【紅(くれない)】
         (九州原産)          (長野県・伊那原産)
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  【剣の舞(つるぎのまい)】     【富士の瀧(ふじのたき)】 
            (剣山系)             (富士山系)
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    下はヤマアジサイとアジサイの交配種です。
    ヤマアジサイより株は大きくなり葉に艶があります。

    【舞孔雀(まいくじゃく)】(加茂交配)
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2009年06月01日

花芯の誘い

 久し振りに庭の花々の写真を撮っている内に、ゴージャスな花芯に
また花弁の渦に誘われ、虫等のように浮遊してしまいました。

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 今、庭は花盛り。 
 甘い香りのブレンドが脳を麻痺させて、長居すればくらくらと…
 いっそこのまま身を委ね酔いつぶれてみようか。


写真の花は…

クレマチス(マダム・ヴァン・フォーテ(白)・源氏紫・クリムソン・グローリー(紅))
        薔薇(ディンティ・ベス)
ディンティ・ベス / 鉄線 / ポールズ・ヒマラヤン・ムスク
グラハム・トーマス / 千鳥草 / アイス・バーグ
セプタード・アイル / 黒種草 / ピエール・ドゥ・ロンサール
ゴールデン・セレブレーション/ 二輪草 / レガッタ


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2009年04月24日

新顔の桜草

 数年前から我が家にホトトギスに混じってやって来た桜草。 去年は掘り返した時に根っこを見失ってしまい、芽は出てきたもののダメージが大きくて花はお休みでした。

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 今年は株も充実し、蕾も立ち上がり開花を楽しみしていました。

 やがて蕾が色づいたのですが、どうも前に咲いた花よりも色が濃い気がして、あれれ〜気のせいかなぁ…と訝しく思っていたら、

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      見覚えの無い濃い花色、花弁に細かい切れ込み
      のある花が咲いてビックリ!


 一昨年咲いたのは、桜の花そのもののような原種に近い素朴な形で、色ももっと薄かった筈…と、ブログの過去ログを検索し写真を見比べてみました。

       ↓こちらが一昨年咲いた桜草です。
         「思わぬ授かり物」より
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 桜草は変化が出やすい植物で古典園芸植物として愛され、全盛期江戸時代には300種以上の品種があった程(今も熱心な愛好家の方々の間で保存されているよう)ですが、同じ根っこからでもこのような変化が出るものなのでしょうか? 枝変わりならぬ根変わり? それとも知らぬ間に種がこぼれて成長し、花を咲かせたのでしょうか? 今年は花を付けなかったもう一株に来年か再来年でも花が咲けば、謎が解けるかもしれません。 植物との付き合いは気が長い話です^^



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ラベル:サクラソウ
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2009年03月01日

淡雪溶けて咲く

 今年初めての雪は春の淡雪。一日降り続いてうっすらと積もるか
積もらないかという内に、ジュレのように透明になって土に染み、
そのしっとりと潤った土の生気を得て、小さな花々があちこちで
目を覚ましました。

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  三角草(ミスミソウ)今年やっと咲いた花の色は薄紫でうっとり

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   福寿草 去年葉の枯れるのが早くて案じたものの無事花開く

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      一人静 名前とは裏腹に又も賑やかに増えたような…
            ムクムクニョキニョキふわふわり


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2009年02月04日

春立ちぬ

 節分の豆まきで怠け鬼やら病気鬼やらを追い出し福を招いて、
我が家にもようやく春の気配が増して参りました。

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   雪割草や福寿草の花芽もぐんと膨らみだして…

 我が家の春告げ花「待雪草・スノードロップ」は、いつになっても
降り積もらない、つれない雪を待ちきれず咲き揃いました。
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 隅々まで行き届いた神さまの意匠の素晴らしさに惚れ惚れします。
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 氷の女王のような地中海原産純白の水仙ガリルは清冽な強めの香
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 可愛らしい恋する村娘のような日本水仙は甘く切なく淡い香り…
と感じるのは、私の勝手な思い込みかしら。

 鬼やらいの豆をプチっと踏んだり拾ったりしながら…
    るんるん春の予感、そんな〜気分るんるん



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2008年10月27日

秋の庭で

 庭を顧みることもなく過ごしている内にも、秋はひっそりと静かに
今年も忘れることなく訪れて来てくれていました。 
いつか私がこの世を去ったとしても、草花は変わらず季節を迎え
娘に微笑んでくれるのでしょうね。 嬉しい事です。

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         関屋の秋丁字(セキヤノアキチョウジ)

 ふつうの秋丁字よりも花の柄が長く繊細で、ゆらゆら揺れる感じです。

 因みにただの「チョウジ(丁子、丁字)」はカレーなどに用いられる
香辛料のクローブ(丁字型の蕾を干したもの)のことで、インドネシア
原産、フトモモ科の常緑樹

 秋丁字の方は、見た目の通り、シソ科です。

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           秋海棠(シュウカイドウ) 雄花

         秋海棠の花弁にも雄蕊にも光の粒が宿ってます。 
         光を透かして仰ぎ見るのが好きです。

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      こちら雌花です。 真中の膨らみの中に種がギッシリ! 
      昔、山の芋の実莢と同じように鼻にくっつけて遊びました。

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            台湾ホトトギス 「青龍」

   以前、幽黙さんのブログで目にして欲しくなり入手したものです。
   在来種のホトトギスは、いつの間にか姿を消して、こちらの
   台湾産だけ生き残りました。これも温暖化の影響でしょうか…

   ご近所では在来種が元気に咲いていますので、又、種など戴いて
   わが庭でも復帰させたいな…

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                藤袴(フジバカマ)

  葉をこすると桜餅の香りと同じ成分(クマリン)が漂います。
  もっと大株になったら、干した藤袴の上に衣を広げ香りをうつす
  という昔の風習を真似て是非やってみたいのです。
  西洋ではラベンダー(安眠を誘う香り)の株の上に寝具等を広げ
  て干して香りをうつしますね。 

 さてさて、野山の秋も見逃さないうちに散策に行きたいものです。 
 
posted by 山桜 at 00:00| Comment(18) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする