2006年03月31日

すもももももももものうち?

sumomo.JPG momo.JPG 
        スモモ                   モモ

 旧暦の桃の節句の日に、丁度我が家のの花が一輪、開いた。
早速この桃の花をお見せする為に、長の滞在をして頂いていた
お雛様に献上・・・。とても喜んでいらっしゃるご様子に私もほのぼの
嬉しくなる。

 「スモモモモもモモのうち」という早口言葉があるけれど、花は
ご覧のようにあまり似ていない。 花柄が長く小型の桜のようだ。
但し、桜のように花弁の先に切れ込みは無い。の花は梅や杏の花に
似ているようだが、の花びらは梅のようにまん丸ではなくやや菱形

このような花の特徴を、日本人はよく捉えて紋の意匠等に生かしている。
私たちのご先祖様はこと自然観察に関しては殆ど嘘が無い。
一生懸命自然の命を見てその力を移そうとしている。
それが誇らしく嬉しい。  

 東京では概ね、梅・杏・李・桜・桃・リンゴの順番で咲くので、
時期で区別する事もできるのだが、今年はまるで北国の春のように
同時期に一緒にに開花しているものも多いので、どの花が何の花か
ご先祖様を見習って目を凝らして見分けながら歩くのもまた楽しい。
 
ラベル:スモモ
posted by 山桜 at 00:00| Comment(16) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月28日

庭の花束

niwahana.JPG

 白銀の世界から戻ってきたら、我が家の庭は一気に色とりどりの
花畑に変わっていた。一歩庭へ踏み出すと、あちこちから春の花たちの
こっちを見てと誘う甘〜い匂いが漂ってきて、生命力に圧倒される。

 少しずつ、元気いっぱいの仲間を分けて貰って庭の花束を作った。
バックに写っているのは、天寿を全うしたミモザ(銀葉アカシア)の幹。
春の花たちに命のバトンを渡し終えて、ホッとしているように見えた。

 ふと、「おじゃる丸」のキノシタ翁を思い出し、涙。


 写真上から、カウスリップの葉、ホトケノザ、ノコギリソウの葉、
 リシマキアの葉、クローバーの葉、ムスカリ、バイオレットクレス、
 カウスリップの花
ラベル:私の庭
posted by 山桜 at 00:00| Comment(10) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月23日

カウスリップ

sakurasou.JPG

 プリムラ・ヴェリス、ヨーロッパ原産のサクラソウの仲間。
園芸種のプリムラ・ポリアンサ等の交配親で、園芸種に比べて花は
小さく花期も短いがとても強健で良く増え、黄色の花を春の喜びを
溢れさせるかのように次々と咲きこぼらせる。

 家のものは、ご近所から戴いて増えたものだが、厳密にいうと
原種のヴェリスとは異なる点がいくつかあるように思える。
どこかで交配種から何代もかけて先祖がえりしてきた途中のもの
かもしれない。

 この頃は、冬の間も休まず花を付けるプリムラやパンジーの仲間が
重宝がられるが、私は季節を知って花を咲かせる、季節を教えてくれる
木草の存在を大切にしたい。

 それにしても、この花の英名「Cowslip」は牛糞のことを指すとか・・・
イヌノフグリにも匹敵するような気の毒な名前を付けたのは誰?
 
ラベル:サクラソウ
posted by 山桜 at 00:00| Comment(16) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月19日

賀茂葵(双葉葵)

kamoaoi.JPG

 昨年、鎌倉とんぼさんに初めてお会いした時に戴いた双葉葵が、
私の庭で無事に冬を越し、元気な若葉を展開してくれました。
二枚の葉の間に、小さな花芽が出来ているのがお分かりでしょうか?

 双葉葵(賀茂葵): ウマノスズクサ科 フタバアオイ属

  茎は蔓のように地面を這い、春にその先端から艶やかな2枚の葉を
  開く。このことから双葉葵と呼ばれる。二枚の葉の間に一つ小さな
  薄紫の花を下向きに咲かせるが、花びらに見える部分は萼片で
  開いた後に外側にぴったりとくっつくため、お椀状に見える。
  花びらは無い。

  この葉を三枚に図案化したものが徳川家の紋所として有名だが、
  元々は京都の賀茂神社ご神紋であり、別名を賀茂葵という。

  

 本来賀茂神社のご神紋であり、二枚である筈の双葉葵より一枚余計に
つけ加え、「三葉葵」とした所に何か徳川家の意図が?

 蔓性で先端に光る葉が二つとくれば、どうしても吉野裕子先生の
「蛇」説を思い浮かべてしまう。子孫繁栄、蘇り、光を映す鏡…。

 葵祭では、この賀茂葵の他に桂の木の葉も飾る。
賀茂葵は貴重で限りがあるし、桂の葉の形は賀茂葵と同じハート型であり、
また鬘(かつら)つながり(頭に飾る)で、沢山採れることから代用された
のかと思われるが、詳しい理由は私には分からない。

 ご縁により私の庭に根付いてくれた双葉葵
 この桂の木も私には興味の尽きない題材である。
  


人気ブログランキング
posted by 山桜 at 17:30| Comment(14) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月23日

一番花

@crocus.JPG

Avioletcrs.JPG



@私の庭の今年の春のトップバッターは、黄色のクロッカス*(アヤメ科)だった。
春の陽を一身に集めて、まばゆいばかりに輝きを放ちながら花開いた。
まさに、春の妖精。。。

A青い小花(実物はもっと綺麗な青)は水仙などと一緒に立春前から咲いていたので、
春咲き一番の選からは漏れるが、黄色のクロッカスを良く引き立ててくれる。
数年前、他の苗に紛れて混入しいつの間にかこぼれ種で増え、あちらこちらに咲く
ようになった。いつまで経っても覚えられない名前だが、
イオノプシディウム」 又は「バイオレットクレス
*また欧米では「ダイヤモンド・フラワー」(アブラナ科)と呼ばれる。

 一番咲き常連の白梅(冬至梅)も、じきに開きそう・・・でも、時間差で惜敗。
この調子で温かい日が続けば、あっという間に庭中が春で埋め尽くされていきそう。
蜘蛛の子も孵化したし、蝿も飛び出した。アブラムシが増殖すると共にてんとう虫
も目覚めだす。毎日の観察、油断ならないなぁ・・・


<<追記 2006.02.27 >>
   文中*付きの箇所。
posted by 山桜 at 11:25| Comment(25) | TrackBack(1) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月27日

雪の雫・Snowdrop

snowdrop.JPG 

 久し振りの積雪が溶けた朝、雪の雫が花に宿った。
その名もゆかしき、スノードロップ、雪の雫。

 例えようも無く可憐、内気な小さな白い花。 
瑞々しいその一枚一枚の花びらの先に、ほんのり恥じらいを含んだ緑の飾り。

 冬の庭の光を、一身に集めて咲いている。
 

<<追記 2006-02-03>>
まりさんのご質問にお応えして、花びらを開いたスノードロップです。
白い花を綺麗に撮る技術が無くてすみません^^;

snowdrops.JPG
posted by 山桜 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月08日

晩秋の庭仕事

カラスウリ.JPG 鴨葵.JPG ワイルドストロベリー.JPG

 急に寒くなり、秋の庭は「野分のまたの日風情」が良いと、荒れるにまかせていたが、
ご近所は定年後のご夫婦が多く内外の手入れも行き届き、流石に肩身が狭い。
ナマハゲが来ない内に、怠け心を振り払い完全防備に身を固め庭に手を
つけることにした。

 元々庭仕事は大好物なのだが、植え込んで10年以上が経過した庭木は愈々
生育旺盛で油断ならない。今年はカラスウリの成長も著しく、家をとうとう半分以上も
取り巻いて蔓延っていた。雌株だけだったので、あまり実りに期待をかけていなかった
のだが、大小様々に実をつけていてくれて感動!(写真左) 
庭に雄花が無くとも、ちゃんと虫が花粉を運んでくれていたのだ。
ありがとう夜の虫たち!

 先ず日頃目の届かない裏に回る。月桂樹は、入梅前に強剪定したにもかかわらず、
既に太さ2cm程の枝が2メートル近く何本も伸びていた。 脚立や塀によじ登り、
血管がプツンと行きそうなほど気張って枝を切りおろす。
月桂樹(ベイリーフ、ローレル)の木や葉から放たれる香気に包まれて、しばし陶然。
 「今晩は葉を集めて月桂樹風呂にしようかな…。」

 隣は金木犀。月桂樹の勢いに負けてか少々元気が無いのが気に掛かる。
こちらは新芽が伸びるのは春で、その新枝に花芽が着くので枝が伸びた後は
刈り込めない
。今の内にぎりぎり葉を残して切り詰めて形を整えた。

 その隣はモッコウ薔薇。この薔薇の勢いは最早留まる所をしらないようだ。
伸びすぎを防ぐ為何年も肥料もやらないでいるのに、何を糧にしてこれ程伸びるのか。
薔薇の癖に棘がないのを幸いに、茂みの中に体を潜り込ませ、長く伸びた蔓の根元を
探っては剪定してゆく。切った枝を引き抜いた時、油断して鞭のようにしなった枝に
したたか横っ面を叩かれた

 薔薇の木にしてみたら、剪定など余計なお世話である。
ただお日様を求めて一生懸命枝を伸ばしていただけというのに、その努力を枝ごと
奪おうとする人間に制裁を与えたのであろう。身勝手で傲慢な我を許し給う…。

 薔薇にお仕置きをされ、しょぼしょぼと表に回り庭の落ち葉を掻き集めた。
少し見ない内に草木は着々と冬支度を済ませていた。落ち葉を寄せるとその下から
ツヤツヤの冬芽を付けた鴨葵(双葉葵)が姿を現した。(写真中) 
その艶やかさに寒さに負けない力強さを見たが、ふと見てはいけない秘密を開けて
しまったように気が引けて、また元通りそっと落ち葉を被せておいた。

 大切な鴨葵が元気だったので、俄然私も元気になって落ち葉掻きに精をだしたが、
今度は小さな花をつけていた可憐な小菊を熊手でちぎってしまった。

 庭仕事をすると必ずどこかでこのような失敗をしてしまう。自分にとって失敗で
なくとも、庭の手入れとは人間の身勝手な仕業であり、必ず植えるもの生やすものを
選別する。草木を愛する善良な者のようでいて、実は自然を捻じ曲げている存在かも
しれない。

 今日、私が庭仕事などしたことで、未だ緑の葉をつけていた草は引き抜かれ
その葉を食べて蛹になる支度をしていた芋虫は途方に暮れた
生まれてくる子の安寧を祈って草陰のフェンスに産みつけられた、
カマキリの卵塊は白日の下、鳥の目に晒された
落ち葉の下で冬越しに備えていたテントウムシは住処を奪われた…。

 それでもスッキリ片付いた庭を見て、この小さな世界の管理者としての満足を得る。
そんな傲慢な人間も自然の一部である以上、庭の小さな生き物も植物も私と何とか
共存共栄していくより他は無い運命共同体か・・・。

 春に種を蒔いたワイルドストロベリーの実が色づき、うなづいていた。(写真右)
posted by 山桜 at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月04日

☆金木犀弾ける☆

 やっと金木犀の香りが放たれた。あちらでもこちらでも金色の香りの粒々が弾け、
小さな星で出来たかんざしの様になって、深緑の葉陰を飾っている。

 この季節になると、こんなにも多くの金木犀が植えられていることに改めて
驚かされる。金木犀、又、金木犀・・・。日本人の多くはこよなく金木犀を愛する。

 金木犀の香りに触れると、いつも昭和天皇陛下のエピソードを思い出す。
(去年も友達の掲示板に書いたので、既に読まれた方はお許しを・・・)
正確なお言葉は思い出せないが、
「金木犀は住まいの南側に植えるものではない。」
とお傍の方に仰ったそうで、これは、金木犀が咲く頃季節が変わり、
風が北西から吹き始めるので、南に植えれば香りは住まいの方には運ばれず、
香りを楽しむことが出来ない、との思し召しと言うことだ。

 人が目に止めない様な草々にまで、愛情を注がれた陛下のお姿が偲ばれる。
posted by 山桜 at 19:37| Comment(5) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月27日

未(ひつじ)草・睡蓮 名前の由来

 梅雨の或る日、花屋の店先で寂しげに売れ残っている姫睡蓮の鉢に
後ろ髪を引かれた。弱弱しそうな小さな葉が、雨に打たれて水面(みなも)に
揺れていた。品種名もない黄色の姫睡蓮。在来種の未草の白い花を思わせる。
 「今年は無理でも来年咲けばいいかな」
それぐらいの気持ちだった。 ザーザー振りの雨の中、大きな買い物袋の他に
ぶら下がった透明のビニール袋。水をたっぷり含んだポット鉢のズシリとした
手応えに軽い後悔の念・・・。

 梅雨の間それは、地道に羊の足型の様な葉を増やしてはいた。が、どうせ
咲きはしないと、花への期待は薄かった。それが、何時の間にやら葉芽とは
明らかに違う花芽をもたげ、あっという間に膨らんで、今日、唐突に開花した。
台風一過の朝11:00の不意打ちだった。

 真夏の太陽が映りこんだ様なまばゆい花。
睡蓮鉢の前に屈み込み、光を集めて咲きゆく花を眺めながら、ふと考えた。

 睡蓮の和名は未(ひつじ)草。
『未の刻(午後2時頃)に咲くので未草と呼ばれる』とは良く知られた由来だが、
実際に開花したのは午前11時頃・・・。 

 いつも驚きの自然観察眼を見せてくれる我が古(いにしえ)のご先祖様たちが、
この様ないい加減な命名をされるだろうか? 上記の由来を掲載している方達も
一様に『しかし実際には午前中から開花する。』と但し書きを付けてはいるが、
この由来に疑問を呈してはいない。

 本日の観察では、午前11時頃から開花し始め、午後1時頃「満開」となった。
(「トリビアの種」の一分咲き〜八分咲き〜満開 の評価を思い浮かべてしまう^^;)
未の刻とは、「午後2時頃」ではなく、午後1時から3時位までではなかったか?
従って『未の刻頃満開に咲き揃うので・・・』なら少々納得かも。

 一方「睡蓮」=睡(ねむ)る蓮、こちらは成る程!で、もう午後4時には固く
花びらを閉じ、寸分乱れずきちんとガクも閉じ、まるきり朝見たままの蕾の状態に
なって眠ってしまった。
 
 私には、この花の特徴としてこちらの早々と眠る生態の方が非常に印象的だった。
古(いにしえ)の人々はどうだったのだろうか? 

 漢字は後から適当なものを当てたとして、「ひつじ」の意味を考えてみる。

  a.眠る=とみをとじる=ひとじ=ひつじ 
  b.日の翳り(閉じ)と花の閉じをかけて=(日)ひ・(閉じ)とじ=ひつじ

 私はb.の日の翳りと共に閉じる「日閉じ=ひつじ草」が気に入った。

 敢えて「羊」ではなくて「未」の字を当てている所からして、未の刻に盛りを迎える、

@『午後1時から3時頃時満開説』  が有力かと思われるが、

 天地(あめつち)と共に暮らしたい私としては

A『お日様の翳りと共に眠る草説』 を世に問うてみたい気持ちである。



posted by 山桜 at 18:10| Comment(4) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月19日

ゴーヤ(苦瓜)

 去年買った一株のゴーヤの苗から沢山の種が採れた。
・・・と言うよりも、食べきれず取り残されたゴーヤは、夕焼け色に熟して三裂し、
真っ赤な綿実の中から「梵字の様な文字」が刻まれた奇妙な種を撒き散らしていた。

 そして、薔薇の根元のマルチ用に敷き詰められた堆肥と腐葉土に温められ、
地獄から救いを求める者達の手の様に、無数の掌状葉を突き出したのだった。

 「全てを救う訳にはいかない・・・。」
私は天の采配を振るうが如く、平静を装いながら芽を間引いていく。
これは、植物を育てていく過程で最も嫌な作業かもしれない。

 選ばれた3本の苗は元気なことこの上なく、薔薇の為に鋤き込んであった豊富な
栄養を吸い上げ薔薇を枯らし・゚・(つД`)・゚・、辺りに巻き髭を絡みつけながら着々と
蔓を伸ばした。 やがてその旺盛な繁殖力とは対照的な、小さく清楚それでいて
ちょっとお洒落なホウ付きの黄色い花を沢山付けた。

 しかし来る日も来る日も、咲くのは雄花ばかり。 瓜科は雌雄別の花をつける
(カラスウリの様に雌雄異株のものさえある)ので、雌花が咲かねば実はならない。
調べてみると、どうもぐんぐん伸びる主蔓には雄花しかつかないので、一本は
雄花用に伸ばし続け、その他の蔓の先は止めて脇蔓を伸ばさなければいけないらしい。

 去年はホッタラカシだったので、実がなる雌花は自然に出た脇蔓まかせで
かなり後にしか咲かなかった訳だ・・・orz
シメシメ今年は先んじて蔓止めをしたので、早くからゴーヤが鈴なりか・・・
posted by 山桜 at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 園芸・庭仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする