2017年04月20日

白い花のメッセージ

 2011年、東日本大震災に襲われた年の春にも咲いた白いショカッサイが突然に姿を見せた。

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 あの年以来、一度も咲かなかったのに、家の主を悼んで咲いてくれたのだろうか。

 去年咲いていた場所を掻き分けても見つからず、消えてしまったかと思っていたニリンソウが、いつの間にか地下茎を伸ばしてお気に入りの場所を見つけて移動し、大株になってたくさん花をつけていた。

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 一つの茎から仲良く二輪の白い花を咲かせるニリンソウ。 

 「いつだって、ほら傍に居るよ」

 「清楚な白い花が好きだったね。」
 
 目に映る全てのことは、メッセージ・・・
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2017年04月13日

病棟の皆さんへ

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3月31日 水芭蕉の花       4月13日 水芭蕉の成長した葉

 この日、お世話になった病棟の皆さんに、御礼の品と主人の気持を代筆した手紙を添えてご挨拶に伺った。
 容態が急変した悪夢のような3月13日から丁度1ヶ月、最後に入院費の精算に訪れた3月31日から既に2週間が過ぎていた。

 主人は、この病院の皆さんの優しさ温かさにとても感激していて、お一人お一人の名前を忘れないようにしたいと、私に名前と似顔絵のメモを作って欲しいと言っていた。 そんなにお顔をじろじろ観察できないので何となくそれらしいものを作ってみたけれど、主人の医療麻薬でぼんやりしていた頭ではとうとう覚えることは出来なかった。 主治医の先生のお名前は、最後のメールでも間違っていて、あらら?だったけど、何だか可愛らしくて・・・。 
「〇〇先生が、奥さんが来たら一緒にご飯食べてねと言ってる」

 容体が急変し他の病棟に運ばれてカテーテルを入れての検査、大変な一夜を過ごした後に元の病室に戻って来た時、病棟の皆さんに、
「〇〇さ〜ん、お帰りなさい!」
「〇〇さん、良かったね〜」
「わ〜、お帰り〜!」
と沢山の拍手で迎えられたこと、
「こんな俺なのに、みんなで良かったよかった〜って迎えてくれて・・・」
と涙をポロポロ流しながら話してくれた。

 後でこの日の事を話した看護士さんは、
「〇〇さんはやさしいから〜 もう一日いなかっただけで寂しくて〜」
と言って下さり嬉しいやら、またここでも女性に優しかったんだなとちょっと複雑やら。

 きっと良くなって退院出来ていたら、お一人お一人に心からのありがとうを伝えたかったのだろう。 代わりに私にその気持ちを伝えてくれと言われているようで、病棟に行くのは辛かったけれど思い切って訪れてみると、最後を看取って下さった看護士さんにお会いすることが出来た。 やはり主人の強い思いの引きあわせなのだろう。
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2017年04月12日

熊本メロン顛末

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やっといい香りがして来てケロと食べようと思っていたのに、正味で24時間も無かった週末の滞在で、すっかりメロンのことなど忘れてしまっていた。 そ〜っと包丁を入れると完熟の芳醇な香り・・・主人はこれにブランデーかウィスキーを掛けて食べるのが好きだったけれど、そんなことをしていたらもう果汁が後から後から流れ出てしまう! いそいで果汁をこぼさないように果肉を切りだして冷凍パックに詰め込んだ。 

次にケロが帰って来た時は、贅沢なメロンジュース祭だね。
ラベル:メロン 熊本
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2017年04月11日

大きな転換期

昨年から今年にかけて、私の周りから大切な存在が次々と去っていくのは、何故なのか。 私には今、どんな転換期がやってきているというのだろうか。 神様は私に、一体何をどうして生きていけと仰るのだろうか。

当たり前のように3人仲良く暮らしていた家族から、去年の春ケロが独り立ちし、寂しさの中にも新しい意欲と生活を応援し、なんとか夫婦二人だけの生活に慣れだして、『また新婚生活が戻ってきたようだね』と言いながら、陽だまりのソファに並んで腰掛けのんびりほのぼのと睦ましい日々を送っていたのに、気付かぬうちに重い病が主人に静かに忍び寄り、束の間の幸せな思い出を残し、あっという間に向こうの世界へ旅立っていってしまった。

思えば、昨年、庭で一番大きな桃の木がいつの間にか大きく傾き、その根元に生えていた植物たちが次々と枯れていったのを見て、言いようのない不安を感じていた。 何とか手を打たねばと思いながら、大きな木は私の力ではビクともせず、主人は背中の痛みが強く力仕事は無理な状態で、枝を大幅に切り落として様子を見るだけになっていた。 その後もいつのまにやら庭の中の大切な植物たちが、幾つも枯れたり消えたりしていくのを止めることが出来ず、不安は募るばかりだった。

初夏のような陽気で庭に出てみる気持ちになって眺めていたら、いつもなら双葉葵のつやつやの葉の中から何株も元気に咲きだしている筈の桜草が、下草を掻き分けても掻き分けても一つも見つからない。 福寿草の茂みの後ろで毎年大きくなっていた春蘭の姿もない。 増えて増えてどうしようかと思っていた鈴蘭水仙は一体どこにいってしまったんだろう? 鉢底を破るほどに元気な根をのばしていた赤と黄色のピラカンサは枯れてしまっていた。 大切にしていた山紫陽花や椿の幼苗も新芽を吹いきていない。 
 
桃の木の傾きで、下草や木々は根っこを引きちぎられてしまったのかもしれない。 丁度それが暑くなってきた時期と重なり、私の入院で水やりもして貰えず力尽きたのだろうか。 何だか主人も庭の植物も、私の所為で手当てが遅れたばかりに可哀想なことになってしまったようで、胸が苦しくてたまらない。

外の世界では、デビュー時期と私達の新婚時代が一緒で、いつも元気と笑いを貰っていたSMAPが残念な解散をしてしまい、娘のように応援してきた浅田真央ちゃんもとうとう選手を引退、それぞれ新しく生きる道を求めて進んでいくのだろう。 私も涙の雨で潤した心の中から、新しい元気の芽生えを感じる日を待っている。
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夢で会えた

 この日の朝、初めて主人の夢を見ました。

 いつものように大股で外から帰って来て、庭からカーテン越しにこちらを覗き込んで笑っています。

「わぁ、おかえり〜!」

と、私は手をバタバタ振って慌てて玄関に迎えに出る所で目が覚めてしまいました。

 ああ、勿体ない。 
そんなに慌てて騒がずに、もっとよ〜くあの笑顔を見ておけばよかった・・・。

 何だかちょっと若くてふっくらとしていて元気そうでした。 
 そういえば、自慢の髭がなかったような・・・。
 人は旅立つと、自分の好きな歳になれるのだと聞いたことがあります。

 未だ病気になることなど何も考えていなかった、私が恋していた頃のあなたに戻ったのでしょうか?

 ああ、今度は声を聞きたいです。 何か話しかけてくれたらどれだけ嬉しいか。
 
posted by 山桜 at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月10日

なりたい見本の先輩

 この日、ケロも帰ってしまい一人ポツネンとしていたら、FITの先輩から有難いメールが届いた。

 このような境遇にいる者に、何か言葉をかけると言うのは、優しい気持ちの方ほど気の重いことだと思う。 却って気を使わせるからとか、何を言っても慰めにはならないからとか思い、ついつい控えてしまうことが多くなる。 私もそうしたことがあるし、その気持ちはとても良く分かる。 それでも、やはり思い切って一歩踏み出し、心を寄せてお便りなど書いて下さることは本当に嬉しく有難く、どんなに勇気づけられることか。 それが心からよくよく分かったから、前にもどこかで書いたけれど、私はもうそうすることを躊躇しない。 

 先輩からのお便りには、
 他の皆さんも心配して下さっている。
 状況が良く分からないのでどのように声を掛けたら良いか悩んでいる。
 引きこもってしまうのが心配。 
 少しずつ復帰しませんか。 
 無理に返信は無用です。
 みんなが待っています。

そのようなことが簡潔に認められていた。
簡潔だけれども一つ一つの言葉が温かく、何一つ傷つけるようなことのないように細心の注意が払われているように感じられた。 私もこういう大人になりたいものと思う。
posted by 山桜 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ケロと過ごした週末

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 ケロが帰って来て、久しぶりに夜遅く眠くなるまで喋って喋って、一緒のお布団にくるまって寝た。 翌朝、ケロのリクエストのパンを焼く仕込をし、お昼は焼き立てのふわふわパン。 主人が食べたがって何度か焼いたけど、手許にあった小麦粉がイマイチだったので、美味しい小麦粉を注文したら届いたのは入院後。 その小麦粉をようやく使う気になった。 

 ケロは美味しい美味しいと言って一人であっという間に半分ほども食べてしまい、お腹がパンパン。 それなのに、ピザ用の小麦粉も見つけて、『夕飯はピザを焼いて!』という。 そうそう、そのピザを焼く為の鉄皿も買ってあったっけ。 野菜・きのこ・食べ残しのカマンベール・チーズもモッツァレラ・チーズもみんな乗せて出来た豪華なピザを頬張って、満足気のケロの笑顔が嬉しい。 でも本当は、私が何かを作ることで元気が出るように、甘えて見せていたのかな。 

 たった一泊だったけれど、その一泊の為に遥々帰って来てくれたケロの優しさに包まれて幸せな2日間だった。 また静かになった我が家の庭では、桃の花が満開だった。

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ラベル:モモ
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2017年04月09日

大河ドラマの「直虎」

 入院中の主人に、
「何だか直虎、鶴が可哀想で見るの辛くて。 
もう見るの止めようかな・・・」
 と言ったことがある。 答はどうだったか・・・相変わらず、
「ふ〜ん」
なんて言って、ちょっと寂しそうな顔をしていた気がする。

『毎年、どんなのでも欠かさず見ていたのに、
 俺がこんなだから落ち着いて見られないんだろうな、ごめんな・・・』

 若しかしたら、そんな気持ちだったのかもしれない。 いつもこうやって、主人の心の中を想像する癖は、生きていた時から同じだった。 

 この日、ケロを見送って家で一人、久し振りに「おんな城主 直虎」を見た。

 思えば直虎は、愛する人(幼馴染の亀)とは添えぬまま、その人は殺され、結婚もせず子もなさず、領民の為、井伊家存続の為に女城主として生きてゆく。 そんな人生もあるのだ。 人生の幸不幸を客観的に他の人と比べることは愚かなことだろうが、その姿を見て学ばねばと思い直した。 

 そしてこの日出てきた、

 「清風払明月 明月払清風」

の言葉にドキドキ胸が高鳴った。 そこに主人の法名が入っていたのだ。 こんな偶然ってあるだろうか?

 さっきはケロの忘れ物から満開の夜桜を一緒に見せてくれて、今度は見るともなく何となく見ていた大河ドラマでこんなことが・・・。 これはもう絶対に主人が私に何かを伝えようとしてくれている、 

「ほら、いつも傍に居るんだ、俺は」
「気持ちを伝えようとしているんだよ」

ありがとう、そう信じさせてくれて、ありがとう。
ラベル:直虎
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3人で見た「夜桜」

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 電車の時間ぎりぎりまでお腹いっぱい頬張っていたケロが、慌ただしく荷物を纏めて家を出発。 哀しくなるから玄関で見送るねと、見えなくなるまで手を振って部屋に戻ると、ハッとさっきケロが荷物を纏めていた場所に忘れて行った大事な手帳に目がとまった。 直ぐにケロに電話するも出ない、急いで手帳を持って飛び出し追いかけた。 その間にケロからコールバック、
「一本遅らせるから走らないでいいよ!」
時計を見れば、頑張れば未だ乗る予定の電車に乗れそうで走り続けた。

 するとケロがこちらに戻って来ていたので鉢合わせ。
「もう、走らないでいいって言ったのに〜危ないなぁ・・・
 一本遅らせたんだから、桜、見に行こう」

 この週末、折角の満開の桜だったのに、雨降りだったり忙しかったりでとうとう見に行けず残念に思っていたが、こんな思いがけないことでケロと夜桜を見ることが出来た。 これは、どう考えても主人の演出ではなかろうか? 手帳を忘れて行ったのも、直ぐにそれき気付いたタイミングも奇跡的で絶妙すぎる。 

「バタバタしてないで、みんなで今年の桜を見ようよ」
そんな主人の計らいで、今年も家族3人で桜を見ることが出来たのだ。

ふっと気付けば、慌てて飛び出した私は主人のダウンジャケットを羽織っていた。 
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2017年04月08日

ほら、カイドウ!

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 北国の春は「三春」とも言われ、梅・桜・桃の花がみんな同じ頃に一度に咲く。 出会った頃の主人は、それでその三つの花の区別が出来ないと言う。 それから毎年根気強く、花の付き方や特徴を教えて段々と区別が出来るようになると自慢げに、
「春一番先に咲いて良い匂いの、これは梅だろ」
「あれは柄が長いし、さくらんぼがなる桜」
「これは桃色の花だから桃だな」
「りんごの花は分かるんだけど、あれは何?」
「桜みたいに花の柄は長いけど、りんごに似てるけど色が濃いし・・・」
「なんか綺麗だな・・・これいいじゃない。 家にある?」

 それは「カイドウ(海棠)」の花でした。 どこか好みにあったのか、他と違って分かり易かったのか、それとも名前の響きが気に入ったのか、それから海棠は主人のお気に入り=絶対に名前の分かる花となり、毎年得意げに、
「カイドウ!!」
と指さして笑い、教えてくれたものだった。
 
「何年前だったかな、あなたを見舞った病院の帰り道、私を元気づけようとしてケロが買ってくれたのよ。 家にあるって、知ってた? 今年も咲いたの、『あ、カイドウ!』ってみつけてね。」
ラベル:カイドウ
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待ってよ〜!

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「お父さん、待ってよ〜!」
ガウガウ鳴きながら、カルガモの一家が川を上って行った。
いつかのどこかの私達家族みたいに。

この日はケロが帰って来る日、郵便を出しに行ってスミレを見つけ、ケロが筍が食べたいと言うので買いに行った八百屋さんはお休み。 急いで帰ってケロの好物の五目ずしや茶碗蒸しを作った。 先輩の引っ越しの手伝いを済ませてから、遠くからにも関わらず心配して帰って来てくれて、優しい子です。

主人の入院中も毎週帰って来てくれて、
「ケロはほんとやさしい、涙でる。」
・・・主人が残したメールにまたホロリ。 
ラベル:カルガモ
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2017年04月06日

BOB DYLANと共に

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片付け中に目に留まったBOB DYLANのパンフレットを手に取ると、中に封筒に入ったSS席のチケットが2枚、大切そうに挟まれていた。 初めて見て、こんなに高いチケットだったことに驚き、それを2枚予約して私を連れて行ってくれた気持ちが嬉しくて、また心の底からこみ上げる気持ちが止まらない。 一足早い結婚30周年のお祝いの気持だったのかもしれない。

去年の4月6日、まだ少し肌寒さを感じるも気持ちのよい春の宵、二人で出掛けたBob Dylanのコンサート。 それは開演前、本当に久しぶりの二人だけの夜の外出に舞い上がっていた私の記憶は余り定かでないけれど、2人きりでちょっとおしゃれしてイタリアン・レストランでワインも飲んで・・・のデートらしいデートの最後となってしまった・・・。

彼は相変わらずさりげなくお洒落でカッコよかった。 私はどんな格好で出掛けたか記憶がない。 釣り合う程に少しキレイ目にして出かけた気がするけれど、彼の目にはどんな風に映っていただろう。 連れて歩いて自慢できるような女性でありたかったのに、こんな私でごめんなさい。 

ディランは「風」のように、変幻自在で同じところに留まらない。 古き良き時代を懐かしみ、当時の演奏を期待しても叶えてはくれない。 今、自分がやりたいことを好きなように自由やってみせる。 長年のファンが聞いても、一瞬なんの曲か分からないくらいのアレンジで、今の気分で歌ってみせる。 極め付けにシャンソン「枯葉」を歌い出した時は、「えっ、まさか?」と思ったけれど、今はこういう曲を歌いたくて、歌ってしまうディランなのだった。

そんなことやディランの相変わらずのセンスの服装だとか、水ばっかり飲んでるなぁとか、腰が痛そうだなぁとか、こんなに近くで表情まで見えてすごいわぁとか、私の興味はそんなでSS席が勿体ないようだけれど、「最高だ! すごい演奏だ!」と夢中になって嬉しそうな彼の隣で一緒にディランを聞いているのは、夢のような幸せだった。 笑顔が何より素敵な人だったから。

Bob, Thank you so much for giving us a lot of memories with you.
He has been your very big fan from his school days, and forever.

     *          *          *

一貫した姿勢を貫き通すとかこだわりを崩さないとか、そんな偶像化や神格化したい向きの期待とは異なって、自分の気持ちに素直で他の誰がどう思うかなど、ディランには関係ないことなのだろう。 私には、ノーベル賞に纏わる一連の行動も、そんなディランの心持が感じられるように思える。

ディランの日本公演には必ず駆け付け、ディラン関係のものはひとつ残らず揃えているようなこのコレクションに浸れば、私の中の彼は一層生き生きといてくれるだろう。
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桜追い 君追い歩く 花霞

2年前の4月1日、
「桜、見に行くか?」
といって、いつも通り長い足ですたすたと前を歩き振り返りもせず、私はひたすら速足で追いすがっては、はぁはぁしながら、あれやこれやと話しかけていました。

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でも、喋りながら歩くというのは、彼にとっては既に厳しいことだったのです。 聞き流しているのか、返事がしんどかったのか、一方通行の会話でした。 どんな気持ちでこの日の桜を見ていたのでしょう。 何を考えているのかなぁ・・・と、いつもいつも背中を追ってばかり。

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パスワードでロックされたスマホに残る彼の撮った桜を見ることは、もう出来ません。 私の写真を撮っていてくれたかも分かりません。 肩にかけていたこのバッグ、よく見たら、この1月、私に、
「これ、使っていいよ。 お、カッコイイじゃん」
と言って渡してくれたものでした。 今年は私が肩にかけ、一緒に桜を見に行きましょう。
ラベル:ソメイヨシノ
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2017年03月31日

事がうまくいかない時

事がうまくいかない時は、どこかで歯車が微妙に噛み合わない。 ああ、何だかチグハグしている・・・と感じながら、どうしてなのかその連鎖を止められないで、とうとうここまで来てしまった。

私の手術のタイミングと主人の痛みの始まりのタイミング、どちらか一方だけであれば、違った対応が出来たかもしれない。

私が全ての他事をやめ主人の看護に徹するタイミングの遅れ。 もっと一日でも早くやめてしまい、主人の事だけに専念できていれば、助けられたかもしれない。

これまで看て戴いて来た都心の大学病院から、最初に手術を受けた近くの病院での治療に早く切り替えていれば、助かっていたかもしれない。 何故、あんなに辛い息苦しさを抱えながら遠くまで通い続けてしまったのか。 通院の為の体力をつけようと散歩していたなんて・・・思い出しても可哀想で胸がえぐられる。

一緒に見ようと注文したビデオ6本が届いたのは、入院した翌日。 まだ封も切らぬまま。 入院中にそして退院後の生活の為に思って注文した、ペットボトルの水、ぬれマスク、とろみづけの調整食品、寒天粉、レモン、りんご、オレンジ、焼き立ての美味しいパンを作る為の色々な小麦粉やイーストやレーズン、ふわふわのカステラを焼いて食べて貰う為の木枠、口中保湿剤、乳酸菌処方マウスウオッシュ等々・・・ こんなものが届いたのは、入院後や既に旅立ってしまった日の午後だった。

いやいや、こんなことを幾ら考えて堂々巡りをしていても自分を責めても、最早起きてしまったことを取り消すことも、時を巻き戻すこともできはしない。

これらはみんな、主人が私に残してくれたメッセージ。
「すべきと思ったら躊躇するな。 すぐにやれ。 チャンスを逃すな。」

主人の入院費の精算の帰り、受付で体の不調を相談すると直ぐに急患扱いで診て戴くことができた。 胸が重苦しかったのは精神的なものだけではなく、治療を受けることになった。 主人が助けてくれたのだ。

ああ、今日で一生忘れることの出来ない 2017年 平成二十九年 三月が、終わる。
明日は、四月。 新しい清らかな風に吹かれて、少しでも賢い道を歩み始めよう。
posted by 山桜 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

心も身体も苦しくて

 この日は、入院費の精算、市役所への届け出などをしなくてはならなかったが、病院に3泊続いて葬祭センターに4泊と、殆ど家に戻れない生活をしていたツケが回って来たのか、胸に鉛の重石を載せられたような苦しさがずっと取れない。 

 折角病院に来ているのだからと思い切って受付に症状を伝えると、急患扱いで診て戴けることになった。 レントゲンの結果、肺に刷毛で掃いたような白い影があり気管支肺炎の疑いありと言われた。 気管支炎なら分かるが、気管支肺炎とは初耳で不安になり益々胸が苦しくなる。 主人を肺炎で失ったばかりなのに、私まで肺炎に・・・? 肺炎って伝染らない筈では? 抗生物質などを処方され、数日後に再び診断を受けることになった。 

 市役所に行く前に心を落ち着けようと、主人が退院したら一緒に行ってみようと思っていた川沿いの可愛らしいカフェに寄った。 
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桜の季節のランチは、いつも我が家で食べているような家庭的なおかずだけれど、こうして木のお盆に盛りあわせたら何だかお洒落っぽくなるものだ。 元気に沢山食べられるようになれたなら、もっともっと心躍るような食卓にして、美味しいものをいっぱい食べさせてあげたかった・・・。 零れ落ちそうな涙と一緒に貰ったばかりの薬を飲みこんだ。
posted by 山桜 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月30日

銀河鉄道発車台?

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湖畔を辿って散歩の途中、見慣れた風景の中に突如現れた違和感!

ああ、何にでも始まりと終わりの時がある。
どれだけ大勢の人々の歓声と恐怖を背負って、このジェットコースターは駆け抜けて来たことか。
私の見た最後の姿は、まるで銀河鉄道の宇宙へ向けての発車台のように突き抜けていて、何だか哀しくなくて良かった。
posted by 山桜 at 19:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一緒に見た桜と花芽の今

2月20日、明日は都心の病院までPETを撮りに行かねばならないので、17日から始めた体試しの散歩に出ました。 冬枯れだった森の木々の芽が膨らみ、ほんのり緑色に染まって来たようで、
「もう春の気配だね」
と、ゆっくりの歩みを留めては休み、気持ちよさそうに外の空気を味わっていました。
「今年は雨が少ないから桜の花は小さ目かなぁ」
そんなことを話しながら歩いていたら、早咲きの河津桜の咲き始めをみつけました。
「河津桜は寒緋桜の血を引いているから、赤味が強いんだよ」
などという私の話などは、いつも通り
「ふ〜ん」
でしたが、その隣の木の花芽を見て珍しく、

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「これは何?」
森林インストラクター等と言いながら、恥ずかしいことにその時、私は即答できず、
「あれ、ナンダロウ? キブシでもないし、先の芽に残っている芽鱗の形はリョウブのナポレオンハット(下の写真参照)に似ているけど幹の模様や他の様子は全然違うし・・・」
と、うろたえるばかり。 
「ああ、情けないなぁ これから毎日見に来て、何の木か突き止めるからね!」
けれども、その一緒の散歩が、あと僅か2日で終わろうとは・・・。

この日、病院に明日のPETキャンセルの電話をしました。 
この時、必要なことしか告げない主人の手から電話を奪い取り、主治医にもっと主人の病状の辛さを訴えていたら助かっていたのではないか・・・と幾度思い返しても、もう時は逆戻りできません。 ああ、本当にドラえもんがいてくれたら、どんなにいいかと。

3月30日、諸手続きの間にぽっかりと空いた1日、陽気に誘われ右手を他の人には見えない彼の腕に預けながら散歩に出ました。 あの日あの時、あのベンチに一緒に座ってアトリを眺めて・・・等と思うと、胸が押しつぶされそうになりますが、『そうだ、あの花芽はどうなっているかな?』の謎解きの好奇心の力で前に進むと、ぼうっと黄色の光に包まれて咲いていたのは、春に先駆け主人の故郷の北国の言葉で『まんず咲ぐ』が語源の「マンサク」の花でした。 

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黄色の細長いひらひらの花びらが実り豊かな稲穂のようで、「豊年満作」にも結び付いたのかもしれません。

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左:一つの花は、黄色で細長い4枚の花弁、赤い4裂萼片、雌蕊1本、雄蕊4本から成る
右:未だリョウブのナポレオンハットに似たお帽子(芽鱗)をかぶった芽

花言葉:「霊感」「ひらめき」「神秘の力」「幸福の再来」 

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カワヅザクラは、すっかり葉桜かと思いきや、まだ葉陰にお花が残り、その横では小さなさくらんぼが育っていました。 私がぐずぐず情けなく踏み留まっていても、季節は確実に移ろっていくのですね。

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2017年03月28日

FORGET-ME-NOT

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哀しみに浸る間もなく色々な所要の為に出掛けなければならない日々。 でもいつも一緒に付いて来てくれています。 さっき桜を教えて貰って、うきうきと帰宅してふと庭に目をやると、去年のこぼれ種から庭のそこここに勿忘草(ワスレナグサ)の小さな青い花が咲いていました。

 「忘れないでね・・・」
 「覚えていてね・・・」

 「まぁ、すっかり心配性になったのね」
 「忘れられる筈がないでしょう」
 「これからもいつもずっと一緒に傍にいてね、ありがとう」
 
ラベル:ワスレナグサ
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桜、咲いてるよ

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「ほら、ここ、桜が咲いてるよ・・・」

少し暗くなって来た郵便局からの帰り道、耳元であなたが教えてくれました。
頭の上の高い所に咲いていた、二輪の仲良し桜。
私だけなら見逃してしまうところでした。

「桜が咲いたら、一緒に見に行こうね」の約束を守ってくれて、ありがとう。
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あなたのために

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旅立ちの日、あなたのために庭の花を摘みました 
帽子も花も似合う、お洒落で素敵なあなたへ
私が大切に育てた花をみんなみんな捧げたくて


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