2013年11月20日

ひつぢ田

 
 ひつぢ田に紅葉ちりかかる夕日かな   蕪村

DVC00651.jpg

 刈り取り後の田んぼから、再び稲の青葉が伸びてきた様子を「ひつぢ田」と呼ぶのだそうです。 最初に聞いた時には「羊田」と思い込み、
 「なるほど、羊雲のように羊の群れが連なっているようで可愛らしいからかな?」
などと、いつものように早合点。 さて、よくよく考えると、山羊ですらそう見かけなかったであろう昔の日本人が、たくさんの羊が群れている様子を思い浮かべるのは不自然です。 

 季語を調べてみると、「ひつじ田」ではなく「ひつ田」と書かれていました。 「ひつぢ」の漢字は、禾魯(櫓の木ヘンがノギヘン)ですが、意味はどうやら「乾土」「干土」のようで、稲穂を刈った後、水を抜かれて「干上がった田」の様子ということなのですね。

 この写真では、雨の後で田んぼがぬかるんでいるので、厳密にいうと乾土田ではありませんが、そのぬかるみが午後の日差しにきらきらと光り、健気に再生した稲の葉を照らして出している様子が優しげで、暫く見惚れておりました。 蕪村の句の様に紅葉が散りかかるのももうすぐでしょう。
 
posted by 山桜 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 俳句・和歌・詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月11日

現代発句合「フォト575」

 
  「婆の背に 負われた孫は 十一人」


   なべちゃんさん
       (島根県)


  「フォト575」11/30放送
         *携帯フォト



 江戸時代の「発句合(ほっくあわせ)」の選者として小林一茶の名が彫られた版木がみつかったり、スペシャルドラマ「坂の上の雲」効果で正岡子規の生涯や故郷の様子−松山のあちらこちらに俳句の投稿箱が置かれ優秀作は店先などに張り出され、お年寄りから学生・幼児までが日常的に俳句に親しんでいると紹介されたりと、なにやら俳句に注目が集まっているようです。

 また、衛星第2放送で朝の連ドラを見ていると続いて「フォト575」(月〜金 午前8:00〜8:15 再放送・ハイビジョンでの違う時間帯での放映もあり)という番組が放送されているのですが、これはまさに現代の「発句合」とも言えるもので、毎回心が揺さぶられるような句が紹介され、思わず泣かされてしまうことも少なくありません。 

 五七五の文字だけで情景を思い浮かべられるのが本当の名句なのでしょうが、発句した時にその人が目にしていた情景の写真が添えられていることは、想像力に欠けると言われる現代人にとって大きな助けとなり、共感度は大幅にアップするようです。

 一方、写真あってこそ成り立つ句があり、こちらこそ寧ろ「フォト575」の本道なのかもしれません。



 
  「これ以上 もう飲めませぬ お婆殿」


                     平元一幸さん(広島県) 
                         「フォト575」 12/7放送
 



 
  「おなじだね」「歳が違うね 一世紀」


                   高木 加津子さん(神奈川県) 
                         「フォト575」 12/10放送


 山桜選は、祖母と一緒に育った所為か、お婆さまの写ったものばかりになってしまいました^^; 

 後姿のお婆ちゃんの優しい背の丸み、腰に組んだ働き者の手の温もり、故郷の景色、生活の匂い…私の故郷でもお婆ちゃんでもないのに、懐かしくて胸がきゅっとします。

 2枚目は、お孫さんの困ったような顔がなんとも言えなくて… お婆ちゃんって、孫への愛が溢れるのと同じ様に次から次へと食べさせよう飲ませようとするんですよね〜

 3枚目は、本当に写真が無ければ何のことか分かりませんが、乳母車と車椅子、同じ様に車に乗っている二人の年齢差は100年なんでしょう。 赤ちゃんとお婆ちゃん、お互いに「おなじだね〜」って本当にそう言って笑いあっているように見えます。

 選者が取り上げた作品と選ばれた殿堂入りの句は、こちらのページでバックナンバーを鑑賞することが出来ます。(番組紹介の為ではありますが、転載した作品は皆さんがご覧になり終えた頃には削除しますので公式HPの方をご覧下さい。)

「カシャッと一句 フォト575 作品ギャラリー」 (NHK BSオンライン)
http://www.nhk.or.jp/photo575/gallery/

 そう言えば、友部丹人さんがブログで続けられている「友部丹人旅日記」は正に「フォト575」そのものですよね。 殿も番組に投稿されているのでしょうか〜?


 <追記>

  申し訳ありませ〜ん! 
  つい先程、今日の分の再放送を見てビックリ!! なんと…

  「秋の部」の放送は本日12/11(金)までで、次回放送は
  「冬の部」として来年の2/1(月)〜だそうです。

  それまでは、上のHPで過去ログを楽しみつつ、投稿を期して
  写真と俳句を沢山生み出しましょう♪ 
  私も何か送ってみようかなぁ。。。


Seesaa Blog エコロジー・ブログ 5位 
タグ:NHK
posted by 山桜 at 13:05| Comment(20) | TrackBack(0) | 俳句・和歌・詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月29日

秋の日のプリズム


秋の朝日が
窓辺に吊られた雫型のカット・クリスタルに差し込んだ。
夏はその存在を忘れられていたのに、
低くなったお日様の光を呼び込んで、
私はここに居ます!
と突然目覚めたかのようだった。

朝日がクリスタルに当たる最初の瞬間は、
何度見ても心が震える。
宝石の様なカット面でいくつにも分光された朝日は、
部屋中に無数の虹の子を散らす。
クリスタルが少しでも揺らげば、
部屋中の虹の子も一斉に揃って踊りだす。
大人になっていて良かった。
子供の頃これを見たら気が狂ってしまったかもしれぬ。

手をかざせば、自分の手のひらに虹を映す事さえ出来る。
子供の頃、あれほど憧れた虹を、
私は今、遂に手に入れたのだろうか
いいや、手のひらの虹は、つかもうとすれば、するりと逃れる
逃れて虹は、
掴もうとして固く握った私のこぶしの指の先で静かに笑っている。

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2005年09月04日

今日の「朝の詩(うた)」@産経新聞

 「天国」  奈良市 尾上 キミエさん(90歳)
 
人は 死ぬと
天国へ いくらしい
私も もうすぐに
天国へ いくのかな…

いや 私はちがう
天国は 生きてる内に
あるんや

おいしい野菜
すずしい風
おもしろいテレビ
あたたかい人
やさしい人

その中にいる私
私のまわりは
全部天国というもの
posted by 山桜 at 17:12| Comment(4) | TrackBack(1) | 俳句・和歌・詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする