2015年02月04日

聖心と清心

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 先日書きました「丁寧に生きる」の中でノートルダム「清心」学園 の文字をご覧になり、「聖心」の誤りでは? と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 東京では、皇后陛下美智子様、第8代国連難民高等弁務官・緒方貞子さん、小説家・曽野綾子さんなどの卒業された「聖心」女子大に馴染みがありますので、私も「あら?」と思いました。

 各大学のHPなどを読みますと、

「聖心」は、イエス・キリストの「愛の心」
「清心」は、聖母マリアの「清き心」

 を示す言葉のようです。

「聖なる」を意味する'sacred'は、「犠牲・いけにえ」を意味する’sacrifice'からの派生語だったと思います。 人々の罪を背負い身を捧げられたイエス・キリストの心こそが「聖なる」ものとされるのでしょうか。 「聖心」にはイエス・キリストの心臓そのものを示す意もあるそうです。

 「犠牲」という日本語は重苦しい言葉ですが、「無償の愛」と置き換えることができましょうか。 「無償の愛」はマリア様の「清き心」にもつながるような・・・。 すみません、幼い頃に日曜学校に通い、イエス様降誕の劇などをした思い出はありますが、カトリック信者ではないので、想像で書きました。 誤りがあれば、ご教示戴けると助かります。

<写真はクリスマス・ローズ・ニゲラ 白洲正子さん命名の別名「初雪おこし」>
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2006年06月02日

「の」の字・「の」の音

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 「ナガミヒナゲシ」と「ナガミヒナゲシ」どちらがこの花に
相応しい名前なのかと、多くの人にはどうでもいいようなことを
勝手に思い巡らしているうちに、植物の名前の中の「の」の字には、
何通りかの意味の違いがあることに気が付いた。


1.「野○○系」
   野生の、野原の、野良の=人の役に立たない 等の意。


  <例>
   長実野雛芥子(ナガミ・ノヒナゲシ)
   烏野豌豆(カラス・ノエンドウ)*1
   烏野胡麻(カラス・ノゴマ)*1
   雀野豌豆(スズメ・ノエンドウ)*2
   狐野牡丹(キツネ・ノボタン)*3
   鬼野芥子(オニ・ノゲシ) 

   *1:烏には野と同じく「役に立たない」の意もあるが、上記二つの
   植物については、後にも野がついていることもあり、前者は実莢が
   黒い、後者は茎が黒いなど「黒い」の意の方が強いと思われる。

   *2:雀にも「役に立たない」の意があるが、ここでは烏より小型、
   「小さい」の意の方が強いと思われる。ラスノエンドウとズメノエンドウ
   のの大きさ故に「カスマ草」と名付けられた野豌豆もある。

   *3:子供の頃、金平糖のような実が成るから狐の釦(ボタン)と
     思ってた人いますよね? 私だけ?
    
   ここで気付くのは、野を付けられた植物は、芥子・豌豆・胡麻・牡丹
   と、皆人間にとって馴染みのある大切な植物であるということ。
   つまり、似ているけど役に立たない野良ものを区別する意味が
   あるということだ。


2.「所有格系」
   ○○のもの、○○の為のもの ○○地方の 等の意。


   例: 犬の陰嚢(イヌのフグリ)
      狐の剃刀(キツネのカミソリ)
      継子の尻拭い(ママコのシリヌグイ)
      雀の鉄砲(スズメのてっぽう)
      蝦夷の立金花(エゾのリュウキンカ)


.「形容詞系」
   ○○という特徴のある 等の意。

   例: 白花の蛇苺(シロハナのヘビイチゴ)
      秋の麒麟草(アキのキリンソウ)
      卯の花(ウのハナ)
      現の証拠(ゲンのショウコ)
      小葉のガマズミ(コバのガマズミ)



2.3.の系統では、「の」抜きも多く見られる。   <例>
    烏瓜(カラスウリ) 語源諸説あり、また場を改めて。
    狐薊(キツネアザミ)
    河原撫子(カワラナデシコ)
    薩摩芋(サツマイモ)
    
    語呂・語感の良さの問題か、命名者の好みの問題か。


 ここで、はたと思い出したのは、相撲の醜名(四股名)。
「若乃花」「三重ノ海」「北の湖」・・・ の・ノ・乃の字があって
の字が見当たらないのは何故?
何となく足が流れて縁起が悪そうだから?

 話が横道にそれてしまったが、「の」の字が間に挟まると何となく
一呼吸の間ができて、ゆったりと和むような気持ちがする。

 「の」が無くても意味が通じるなら、「の」抜きが合理的なのかも
しれないが、私は「畳にのの字を書く」ように、ひっそりと和な
「のの字あり」を支持していきたいと思っている。


<<追記 1>>

  のの字といえば、宮崎駿監督のヒットアニメのタイトルには必ず
  入っていることでも有名だ。
  「風ナウシカ」「となりトトロ」「天空城ラピュタ」
  「もののけ姫」「千と千尋神隠し」「ハウル動く城」等等。
  (同じジブリでも高畑勲監督は、特にのの字にはこだわっていない。)

<<追記 2 2006-06-04>>

コメントを戴いてお返事を書く間に、のの字・音の言霊・音霊の
  力を思うようになってきた。

  祝詞ということば自体、「宣()ることば」であるし、のの音が
  沢山使われている。

   筑紫 日向 橘小戸 阿波岐原に・・・ 


  また歌聖・柿本人麻呂も

   あしびき 山鳥 しだり尾・・・

  と、まるでのの繰り返しを楽しむように歌っている。

 
  
posted by 山桜 at 00:00| 東京 🌁| Comment(9) | TrackBack(0) | 気になる豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月15日

弁慶の勧進帳

 昨日、いつもお世話になっている鎌倉とんぼさんに、

  「歌舞伎で弁慶が読み上げる勧進帳が白紙だという話は誤りです。
 持ち合わせたお経の巻物の中の一つを取り上げて読んだのであり、
 歌舞伎の台本(下に引用)にもそう書いてあります。 
 つまり、「勧進帳」とはマッタク別のモノを、それらしく読み上げたり
 すること
を言います。」

と教えて戴いた。私もてっきり弁慶は何も書いていないものをさも書いて
あるように読み上げたものだとばかり思っていたので、早速調べてみた。


 勧進帳:寺院の堂塔の建立などに要する金品・材料の寄付募集の
     趣意を記し、巻物などにしたもの。
     僧や山伏が民衆から寄付を集める時に読み聞かせる。
     (三省堂 大辞林)

 歌舞伎の台本:
  地  元より勧進帳のあらばこそ、笈の内より往来の巻物一巻取り出だし、
     勧進帳と名附けつつ、高らかにこそ読み上げけれ。

 歌舞伎の小道具:
         弁慶の小道具.jpg
          2003年 (財)切手博物館 特別展示より
          (株)藤浪アート・センター提供品

  この小道具を見ると、中までは良く分からないが、確かに題名も何も
  書いていないように見える。歌舞伎という誇張が特徴的な演出上、
   「何も書いて無いのに、すらすらと読んでいる!」
  と見えた方がより印象的なので白紙の小道具?が使われたのかもしれない。

 実際の話として考えた場合、いくら弁慶が大男で中を覗き見られる可能性が低い
としても、沢山ある巻物の中から、わざわざ何も書いていない巻物を取り出して
読むことは無いだろう。何も書いていない巻物を持って歩くかも疑問であるし、
何かが書いてあるものを読む方がずっと本当らしく誤魔化しやすいのだから。
 
 また市川宗家の解釈では、武士(富樫)は畏れ多い経文を上から覗き見たりはしない、
という解釈であったが、仁左衛門が演じた時は少し覗き見たとの記載もある。
(↓「ご機嫌!歌舞伎ライフ」勧進帳 団十郎の家の芸 2002.12.5 より) 
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~freddy/watching11.htm

 ネットの検索で勧進帳の記載を探してみても、歌舞伎関係以外の人の書いたものは
「白紙の…」とされているものが多いが、それは若しかしたら上の小道具を見た人の口
から出た不確かな情報が、いつの間にかまことしやかな情報として流布された結果
なのかもしれない。

 ネット情報には、えてしてこのような出所不明の孫引き情報が多いので要注意だ。
私も引用元は出来る限り明記していきたいと思う。

 鎌倉とんぼさん、興味深いお話をありがとうございました。m(_ _)m


<追記:鎌倉とんぼさん談>
 その役者の家によっての型があります。先代の団十郎の弁慶だったかでは、
 紺紙金字の巻物を使ったことがあると記憶していますし、博多人形の中にも
 紺紙金字の巻物を持って、見得を切っているものを見た記憶があります。
posted by 山桜 at 15:44| Comment(8) | TrackBack(0) | 気になる豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする