2017年04月15日

八国山の芽吹き時

 一年で里山が最も劇的に美しく変化する、心躍る芽吹きの季節がやって来た。

 新芽が吹いてまだきらきら光る柔らかな葉が展開しきらない頃は、葉の色や質感の個性が様々なので、丁度その頃に咲く山桜の薄紅色と織り成す彩りは例えようもなく美しく、幾ら見ていても飽きることが無い。 この夢のようなひと時をこころゆくまで愉しみたい。

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 森林インストラクターとあらば、この様々な緑を見てなんの木か分からねば・・・。 さて、幾つか分かるかな? 一番上の白っぽい緑は産毛の多い「コナラ」の木、2番目は「ヤマザクラ」と低木はネジキとか? 3番目の赤味を帯びているのは「イロハカエデ」、4番目の黄土色っぽくて花房が沢山下がっているのは「クヌギ」 クヌギのアップの下は カキノキの若葉と花芽 そして一番下は ケヤキ です。

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左:ホウチャクソウ(宝鐸草)ユリ(イヌサフラン)科チゴユリ属         
右:ヤマツツジ(山躑躅)ツツジ科ツツジ属

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高圧線の鉄塔下が帯状に伐採されて明るい草地になっていました。 こうして人の手が入り、暗かった林床に光が当たるようになると、今まで眠っていた植物が甦って来ます。 去年まで殆ど限られた場所でしか見られなかったジロボウエンゴサクがものすごい範囲に広がっていて驚きました。

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ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)ケシ科キケマン属

きっと最近増えて来たキンランやギンランももっと出て来るのではないかな。

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左:クサイチゴ(草苺)バラ科キイチゴ属
右:カラスノエンドウ/ヤハズエンドウ(烏/矢筈豌豆)マメ科ソラマメ属

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左:ミツバツチグリ(三葉土栗)バラ科キジムシロ属
右:オオジシバリ(大地縛り)キク科ニガナ属

こんな素敵な季節に一緒に散歩したかったけど、ずっと花粉症でダメだったなぁ  今は何の障害もなくなって、いつも一緒に歩いてくれている。 否応なく・・・いや、きっと興味が湧いてきているに違いない。 専属森林インストラクターと歩いて面白くない訳ないです・・・よね。
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2017年04月14日

桜追い(四)八国山再び

 1人堂々巡りの思いの中に閉じ籠らないように、人に伝えられる形にして書くことで気持ち整理をしています。 もがきながらどうやってこのトンネルを抜けていけるのか、出口がどこにあるのか分かりませんが、書き表すことが世の中へ繋がる扉となるように願いつつ。 

 とはいえ、家の中にばかり居る訳でなく、相変わらず野山を歩き回っていますのでご安心ください。 撮り溜めしたままだった桜たちを忘れてました。

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葉と花の調和が美しい大好きな山桜は、大体樹形が箒型で花が高い所に咲くので写真を撮るのが難しい。 坂の途中から身を乗り出して風のおさまりを待ったけれど・・・。

こちらは染井吉野のように枝を広げた大木に、小振りの八重の花をつけていた里桜。 品種名不明
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病院の裏に下りてきたら、病室の窓から見ていたあの染井吉野は花吹雪に。
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八重咲きの枝垂桜        同じバラ科でもリンゴ属の「花海棠」

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同じバラ科でもナシ属の「梨の花」 品種は「豊水」かな? 
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こちらは「幸水」かな?

この日、ツバメの初飛来を見ました。

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2017年04月13日

「人は死なない」

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3年前、一体どんな状態で行われたのか想像するだに怖ろしい、執刀医曰く『どこの医者もやりたがらないだろうね』という、声帯と嚥下機能を温存し癌を取り除く喉と頸部の手術を主人が受けることになった時、私は必ず助かると信じていた一方で、どういう心境からか、恐らくは元々持っていた「生と死」への興味から、

「人は死なない−ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索」
矢作直樹 著
(東京大学大学院医学研究科・医学部救急医学分野教授 医学部付属病院救急部・集中治療部部長)救命医療から緩和ケアまで様々な現場を経験してきた臨床医が自らの体験を通しての、

 「神は在るか、魂魄は在るか。」
 「生命の不思議」「宇宙の神秘」「宗教の起源」「非日常的現象」

などについて思索を記した書を読んでいたことを思い出し、再びその書を手に取った。

 いきなり容態が急変しあらゆる手を尽くしても亡くなる人がいる一方で、極めて重篤な状態であったにも関わらず予想を超えて命を繋ぐ人もいる。 飛躍的に医療が進んだと思われている現代においても、人の生命の力については分からないことばかり、それは途方もなく複雑で精緻かつ絶妙なバランスで営まれている。 人が生き残る為の強力な戦略である「多様性・個人差」が、全体像を掴む妨げにもなっている。(近年注目の遺伝子表現形が、安価・短時間・確実に判定できるようになれば道が開かれるかもしれないが。)

「人は必ずこの世を去る」
「自然科学としての現代医学が生命や病気について解明できているのはほんの僅かな部分でしかない。
「人の寿命を医師が覆すことは出来ない」

今、読み返してみて、この辺りの記述に納得を覚える。 
明らかな医療ミスがあった訳でもなく、自分が、また医師が、どこかで何かを間違えたから寿命が縮んだのではなく、これが主人の寿命だったのだ。 それどころか、発病以来16年間、本当によく頑張って生き延びて来てくれたのだ。 強い意志で病に立ち向かう一方で、柔らかな心持を保って「心で治す」を実践して来てくれた賜物だと思う。

科学と宗教についての思索も大変興味深いが、ここではその一部を抜粋・まとめて紹介する。

「人間は、事物現象のメカニズムは解明できても、それらの事物現象が存在する理由について解明することは難しい。 メカニズムが解明されればされるほど、全てが完璧に出来ていることを思い知り、その完璧さこそが人智を超えた『摂理=神』のわざ としか思えない。」

今、大きな哀しみの中にいる私が最も共感するのは、自身の幾度かの臨死体験やご両親が亡くなった時の体験等に基づく次のような言葉の数々だった。

「人は死なない。 肉体は消滅した後も魂は存在し続ける」
「人が持っている本来の能力は、我々の想像をはるかに超えたものである」
「他界した人はいつも自分を見守っていてくれ、いつの日にか再会できる」
「誰かが見ていてくれるという潜在意識が人の良心を保つ」
「足るを知り、必要以上に求めない」

これらの言葉は、主人が旅立ってから後、私を苦しめてきた様々な思い、

「あの時ああしていれば、こうしていれば助かったのではないか」
「私はどこで間違えてしまったのだろう?」
「もっと色んなことをしてあげたかった」
「もっとたくさんの言葉をかけたり貰ったりしたかった」
「なぜ、入院していたのに悪化してしまったのか」
「何一つ変わらない家の中で、主人の姿だけが見えず触れられず辛い」
「たった一人で日々を何の為に生きよと言うのか」

それらに答をみせてくれた。



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病棟の皆さんへ

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3月31日 水芭蕉の花       4月13日 水芭蕉の成長した葉

 この日、お世話になった病棟の皆さんに、御礼の品と主人の気持を代筆した手紙を添えてご挨拶に伺った。
 容態が急変した悪夢のような3月13日から丁度1ヶ月、最後に入院費の精算に訪れた3月31日から既に2週間が過ぎていた。

 主人は、この病院の皆さんの優しさ温かさにとても感激していて、お一人お一人の名前を忘れないようにしたいと、私に名前と似顔絵のメモを作って欲しいと言っていた。 そんなにお顔をじろじろ観察できないので何となくそれらしいものを作ってみたけれど、主人の医療麻薬でぼんやりしていた頭ではとうとう覚えることは出来なかった。 主治医の先生のお名前は、最後のメールでも間違っていて、あらら?だったけど、何だか可愛らしくて・・・。 
「〇〇先生が、奥さんが来たら一緒にご飯食べてねと言ってる」

 容体が急変し他の病棟に運ばれてカテーテルを入れての検査、大変な一夜を過ごした後に元の病室に戻って来た時、病棟の皆さんに、
「〇〇さ〜ん、お帰りなさい!」
「〇〇さん、良かったね〜」
「わ〜、お帰り〜!」
と沢山の拍手で迎えられたこと、
「こんな俺なのに、みんなで良かったよかった〜って迎えてくれて・・・」
と涙をポロポロ流しながら話してくれた。

 後でこの日の事を話した看護士さんは、
「〇〇さんはやさしいから〜 もう一日いなかっただけで寂しくて〜」
と言って下さり嬉しいやら、またここでも女性に優しかったんだなとちょっと複雑やら。

 きっと良くなって退院出来ていたら、お一人お一人に心からのありがとうを伝えたかったのだろう。 代わりに私にその気持ちを伝えてくれと言われているようで、病棟に行くのは辛かったけれど思い切って訪れてみると、最後を看取って下さった看護士さんにお会いすることが出来た。 やはり主人の強い思いの引きあわせなのだろう。
posted by 山桜 at 20:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月12日

熊本メロン顛末

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やっといい香りがして来てケロと食べようと思っていたのに、正味で24時間も無かった週末の滞在で、すっかりメロンのことなど忘れてしまっていた。 そ〜っと包丁を入れると完熟の芳醇な香り・・・主人はこれにブランデーかウィスキーを掛けて食べるのが好きだったけれど、そんなことをしていたらもう果汁が後から後から流れ出てしまう! いそいで果汁をこぼさないように果肉を切りだして冷凍パックに詰め込んだ。 

次にケロが帰って来た時は、贅沢なメロンジュース祭だね。
タグ:メロン 熊本
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2017年04月11日

大きな転換期

昨年から今年にかけて、私の周りから大切な存在が次々と去っていくのは、何故なのか。 私には今、どんな転換期がやってきているというのだろうか。 神様は私に、一体何をどうして生きていけと仰るのだろうか。

当たり前のように3人仲良く暮らしていた家族から、去年の春ケロが独り立ちし、寂しさの中にも新しい意欲と生活を応援し、なんとか夫婦二人だけの生活に慣れだして、『また新婚生活が戻ってきたようだね』と言いながら、陽だまりのソファに並んで腰掛けのんびりほのぼのと睦ましい日々を送っていたのに、気付かぬうちに重い病が主人に静かに忍び寄り、束の間の幸せな思い出を残し、あっという間に向こうの世界へ旅立っていってしまった。

思えば、昨年、庭で一番大きな桃の木がいつの間にか大きく傾き、その根元に生えていた植物たちが次々と枯れていったのを見て、言いようのない不安を感じていた。 何とか手を打たねばと思いながら、大きな木は私の力ではビクともせず、主人は背中の痛みが強く力仕事は無理な状態で、枝を大幅に切り落として様子を見るだけになっていた。 その後もいつのまにやら庭の中の大切な植物たちが、幾つも枯れたり消えたりしていくのを止めることが出来ず、不安は募るばかりだった。

初夏のような陽気で庭に出てみる気持ちになって眺めていたら、いつもなら双葉葵のつやつやの葉の中から何株も元気に咲きだしている筈の桜草が、下草を掻き分けても掻き分けても一つも見つからない。 福寿草の茂みの後ろで毎年大きくなっていた春蘭の姿もない。 増えて増えてどうしようかと思っていた鈴蘭水仙は一体どこにいってしまったんだろう? 鉢底を破るほどに元気な根をのばしていた赤と黄色のピラカンサは枯れてしまっていた。 大切にしていた山紫陽花や椿の幼苗も新芽を吹いきていない。 
 
桃の木の傾きで、下草や木々は根っこを引きちぎられてしまったのかもしれない。 丁度それが暑くなってきた時期と重なり、私の入院で水やりもして貰えず力尽きたのだろうか。 何だか主人も庭の植物も、私の所為で手当てが遅れたばかりに可哀想なことになってしまったようで、胸が苦しくてたまらない。

外の世界では、デビュー時期と私達の新婚時代が一緒で、いつも元気と笑いを貰っていたSMAPが残念な解散をしてしまい、娘のように応援してきた浅田真央ちゃんもとうとう選手を引退、それぞれ新しく生きる道を求めて進んでいくのだろう。 私も涙の雨で潤した心の中から、新しい元気の芽生えを感じる日を待っている。
posted by 山桜 at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夢で会えた

 この日の朝、初めて主人の夢を見ました。

 いつものように大股で外から帰って来て、庭からカーテン越しにこちらを覗き込んで笑っています。

「わぁ、おかえり〜!」

と、私は手をバタバタ振って慌てて玄関に迎えに出る所で目が覚めてしまいました。

 ああ、勿体ない。 
そんなに慌てて騒がずに、もっとよ〜くあの笑顔を見ておけばよかった・・・。

 何だかちょっと若くてふっくらとしていて元気そうでした。 
 そういえば、自慢の髭がなかったような・・・。
 人は旅立つと、自分の好きな歳になれるのだと聞いたことがあります。

 未だ病気になることなど何も考えていなかった、私が恋していた頃のあなたに戻ったのでしょうか?

 ああ、今度は声を聞きたいです。 何か話しかけてくれたらどれだけ嬉しいか。
 
posted by 山桜 at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月10日

なりたい見本の先輩

 この日、ケロも帰ってしまい一人ポツネンとしていたら、FITの先輩から有難いメールが届いた。

 このような境遇にいる者に、何か言葉をかけると言うのは、優しい気持ちの方ほど気の重いことだと思う。 却って気を使わせるからとか、何を言っても慰めにはならないからとか思い、ついつい控えてしまうことが多くなる。 私もそうしたことがあるし、その気持ちはとても良く分かる。 それでも、やはり思い切って一歩踏み出し、心を寄せてお便りなど書いて下さることは本当に嬉しく有難く、どんなに勇気づけられることか。 それが心からよくよく分かったから、前にもどこかで書いたけれど、私はもうそうすることを躊躇しない。 

 先輩からのお便りには、
 他の皆さんも心配して下さっている。
 状況が良く分からないのでどのように声を掛けたら良いか悩んでいる。
 引きこもってしまうのが心配。 
 少しずつ復帰しませんか。 
 無理に返信は無用です。
 みんなが待っています。

そのようなことが簡潔に認められていた。
簡潔だけれども一つ一つの言葉が温かく、何一つ傷つけるようなことのないように細心の注意が払われているように感じられた。 私もこういう大人になりたいものと思う。
posted by 山桜 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ケロと過ごした週末

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 ケロが帰って来て、久しぶりに夜遅く眠くなるまで喋って喋って、一緒のお布団にくるまって寝た。 翌朝、ケロのリクエストのパンを焼く仕込をし、お昼は焼き立てのふわふわパン。 主人が食べたがって何度か焼いたけど、手許にあった小麦粉がイマイチだったので、美味しい小麦粉を注文したら届いたのは入院後。 その小麦粉をようやく使う気になった。 

 ケロは美味しい美味しいと言って一人であっという間に半分ほども食べてしまい、お腹がパンパン。 それなのに、ピザ用の小麦粉も見つけて、『夕飯はピザを焼いて!』という。 そうそう、そのピザを焼く為の鉄皿も買ってあったっけ。 野菜・きのこ・食べ残しのカマンベール・チーズもモッツァレラ・チーズもみんな乗せて出来た豪華なピザを頬張って、満足気のケロの笑顔が嬉しい。 でも本当は、私が何かを作ることで元気が出るように、甘えて見せていたのかな。 

 たった一泊だったけれど、その一泊の為に遥々帰って来てくれたケロの優しさに包まれて幸せな2日間だった。 また静かになった我が家の庭では、桃の花が満開だった。

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タグ:モモ
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2017年04月09日

大河ドラマの「直虎」

 入院中の主人に、
「何だか直虎、鶴が可哀想で見るの辛くて。 
もう見るの止めようかな・・・」
 と言ったことがある。 答はどうだったか・・・相変わらず、
「ふ〜ん」
なんて言って、ちょっと寂しそうな顔をしていた気がする。

『毎年、どんなのでも欠かさず見ていたのに、
 俺がこんなだから落ち着いて見られないんだろうな、ごめんな・・・』

 若しかしたら、そんな気持ちだったのかもしれない。 いつもこうやって、主人の心の中を想像する癖は、生きていた時から同じだった。 

 この日、ケロを見送って家で一人、久し振りに「おんな城主 直虎」を見た。

 思えば直虎は、愛する人(幼馴染の亀)とは添えぬまま、その人は殺され、結婚もせず子もなさず、領民の為、井伊家存続の為に女城主として生きてゆく。 そんな人生もあるのだ。 人生の幸不幸を客観的に他の人と比べることは愚かなことだろうが、その姿を見て学ばねばと思い直した。 

 そしてこの日出てきた、

 「清風払明月 明月払清風」

の言葉にドキドキ胸が高鳴った。 そこに主人の法名が入っていたのだ。 こんな偶然ってあるだろうか?

 さっきはケロの忘れ物から満開の夜桜を一緒に見せてくれて、今度は見るともなく何となく見ていた大河ドラマでこんなことが・・・。 これはもう絶対に主人が私に何かを伝えようとしてくれている、 

「ほら、いつも傍に居るんだ、俺は」
「気持ちを伝えようとしているんだよ」

ありがとう、そう信じさせてくれて、ありがとう。
タグ:直虎
posted by 山桜 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

3人で見た「夜桜」

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 電車の時間ぎりぎりまでお腹いっぱい頬張っていたケロが、慌ただしく荷物を纏めて家を出発。 哀しくなるから玄関で見送るねと、見えなくなるまで手を振って部屋に戻ると、ハッとさっきケロが荷物を纏めていた場所に忘れて行った大事な手帳に目がとまった。 直ぐにケロに電話するも出ない、急いで手帳を持って飛び出し追いかけた。 その間にケロからコールバック、
「一本遅らせるから走らないでいいよ!」
時計を見れば、頑張れば未だ乗る予定の電車に乗れそうで走り続けた。

 するとケロがこちらに戻って来ていたので鉢合わせ。
「もう、走らないでいいって言ったのに〜危ないなぁ・・・
 一本遅らせたんだから、桜、見に行こう」

 この週末、折角の満開の桜だったのに、雨降りだったり忙しかったりでとうとう見に行けず残念に思っていたが、こんな思いがけないことでケロと夜桜を見ることが出来た。 これは、どう考えても主人の演出ではなかろうか? 手帳を忘れて行ったのも、直ぐにそれき気付いたタイミングも奇跡的で絶妙すぎる。 

「バタバタしてないで、みんなで今年の桜を見ようよ」
そんな主人の計らいで、今年も家族3人で桜を見ることが出来たのだ。

ふっと気付けば、慌てて飛び出した私は主人のダウンジャケットを羽織っていた。 
posted by 山桜 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月08日

ほら、カイドウ!

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 北国の春は「三春」とも言われ、梅・桜・桃の花がみんな同じ頃に一度に咲く。 出会った頃の主人は、それでその三つの花の区別が出来ないと言う。 それから毎年根気強く、花の付き方や特徴を教えて段々と区別が出来るようになると自慢げに、
「春一番先に咲いて良い匂いの、これは梅だろ」
「あれは柄が長いし、さくらんぼがなる桜」
「これは桃色の花だから桃だな」
「りんごの花は分かるんだけど、あれは何?」
「桜みたいに花の柄は長いけど、りんごに似てるけど色が濃いし・・・」
「なんか綺麗だな・・・これいいじゃない。 家にある?」

 それは「カイドウ(海棠)」の花でした。 どこか好みにあったのか、他と違って分かり易かったのか、それとも名前の響きが気に入ったのか、それから海棠は主人のお気に入り=絶対に名前の分かる花となり、毎年得意げに、
「カイドウ!!」
と指さして笑い、教えてくれたものだった。
 
「何年前だったかな、あなたを見舞った病院の帰り道、私を元気づけようとしてケロが買ってくれたのよ。 家にあるって、知ってた? 今年も咲いたの、『あ、カイドウ!』ってみつけてね。」
タグ:カイドウ
posted by 山桜 at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

待ってよ〜!

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「お父さん、待ってよ〜!」
ガウガウ鳴きながら、カルガモの一家が川を上って行った。
いつかのどこかの私達家族みたいに。

この日はケロが帰って来る日、郵便を出しに行ってスミレを見つけ、ケロが筍が食べたいと言うので買いに行った八百屋さんはお休み。 急いで帰ってケロの好物の五目ずしや茶碗蒸しを作った。 先輩の引っ越しの手伝いを済ませてから、遠くからにも関わらず心配して帰って来てくれて、優しい子です。

主人の入院中も毎週帰って来てくれて、
「ケロはほんとやさしい、涙でる。」
・・・主人が残したメールにまたホロリ。 
タグ:カルガモ
posted by 山桜 at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スミレ と ヒメスミレ

スミレの仲間の開花期間は割に短くて、いい時に写真を取り損なっうと、いつの間にか閉鎖花だらけで花が咲かなくなってしまう。 と言う訳で、人目も憚らず車の往来の多い道路の歩道に蹲って撮影敢行。 こちらは日本のスミレの代表であるその名もずばりの、
【スミレ】
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細長い披針形の葉と同じ位の長さの葉柄にはっきりした翼があるのが特徴
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側弁基部有毛(下の拡大写真参照)

北海道〜屋久島まで、日当たりの良い路傍、草地、林縁などに普通。 というが、そこら中で咲いているタチツボスミレに比べると、それ程多くは見かけない。 しかし、毎年決まった所では見られるので、好みの場所が限られるのかもしれない。 試に何度か種を採って庭の似たような場所に蒔いたり、蟻に運んで貰ったりしたが、未だに定着したことがない。
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そう書いてから庭をみると、今年、蒔いていない筈の鉢の中に「スミレ」らしきスミレが咲いていた。 花の色合いが少し上のものより淡いが、花色は個体巾があるようだ。 

同じ歩道の車道側、より乾燥している(より危険な)敷石の隙間いっぱいに咲いていた小型のスミレは、
【ヒメスミレ】
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花はスミレより小さく青みがかり条腺目立つ  
葉は縁が波打つ 葉柄に翼は殆どない 裏は紫を帯びることが多い
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上弁がウサギの耳様に立つ 側弁基部有毛 距は白っぽく太い

今年はスミレ探しの遠出はせずに、近場のスミレをじっくりと見てみたい。
今まであまり興味を示してくれなかったあの人にも、これからは一緒によ〜く見て好きになって欲しいから。
posted by 山桜 at 15:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月07日

桜追い(三)小金井・野川

 武蔵小金井駅の発着メロディが🎵さくら〜さくら〜であるように、小金井は東京の桜の名所の一つに数えられる。 玉川上水沿いや小金井公園の桜が有名だが、ここ野川沿いの桜も年月を経てなかなか見ごたえのある風情に成長していた。

 この川沿いの道を幾度家族で歩いたことか。 実家の家族みんなと、そして新婚時代には二人で、ケロが生まれてからは仲良し3人家族で。 今、ひとり歩く桜道は、上を向いて歩こう 涙がこぼれないように・・・。

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 天を仰ぐと、雑木林の新緑が青空に映えて揺れていた。 
 あの人の目は光の加減でほんのり緑色に見えることがあって、私は丁度新緑の萌える木の下で、その思いを寄せて「若葉の君」と呼んでみたことがあった。 それを彼は照れながらも、
「そんなことを言ってくれた人は初めてだ」
と、とても喜んでくれていた。 
 私はといえば、どこにでも咲いているような平凡でまんまるのタンポポだった。 せめてこのシロバナタンポポくらい綺麗だったら良かったのに。

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桜は両岸から、川の流れに向かって水を求めるように枝を伸ばす。

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桜の幹側から見れば、その枝の伸ばし様は狂おしいほどで、
伸ばしても伸ばしても触れることの出来ない人を求めるが如く

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あなたを探している内に、忽ち桜の波に飲み込まれてしまった。

posted by 山桜 at 23:33| Comment(8) | TrackBack(0) | さくら・桜・櫻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月06日

BOB DYLANと共に

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片付け中に目に留まったBOB DYLANのパンフレットを手に取ると、中に封筒に入ったSS席のチケットが2枚、大切そうに挟まれていた。 初めて見て、こんなに高いチケットだったことに驚き、それを2枚予約して私を連れて行ってくれた気持ちが嬉しくて、また心の底からこみ上げる気持ちが止まらない。 一足早い結婚30周年のお祝いの気持だったのかもしれない。

去年の4月6日、まだ少し肌寒さを感じるも気持ちのよい春の宵、二人で出掛けたBob Dylanのコンサート。 それは開演前、本当に久しぶりの二人だけの夜の外出に舞い上がっていた私の記憶は余り定かでないけれど、2人きりでちょっとおしゃれしてイタリアン・レストランでワインも飲んで・・・のデートらしいデートの最後となってしまった・・・。

彼は相変わらずさりげなくお洒落でカッコよかった。 私はどんな格好で出掛けたか記憶がない。 釣り合う程に少しキレイ目にして出かけた気がするけれど、彼の目にはどんな風に映っていただろう。 連れて歩いて自慢できるような女性でありたかったのに、こんな私でごめんなさい。 

ディランは「風」のように、変幻自在で同じところに留まらない。 古き良き時代を懐かしみ、当時の演奏を期待しても叶えてはくれない。 今、自分がやりたいことを好きなように自由やってみせる。 長年のファンが聞いても、一瞬なんの曲か分からないくらいのアレンジで、今の気分で歌ってみせる。 極め付けにシャンソン「枯葉」を歌い出した時は、「えっ、まさか?」と思ったけれど、今はこういう曲を歌いたくて、歌ってしまうディランなのだった。

そんなことやディランの相変わらずのセンスの服装だとか、水ばっかり飲んでるなぁとか、腰が痛そうだなぁとか、こんなに近くで表情まで見えてすごいわぁとか、私の興味はそんなでSS席が勿体ないようだけれど、「最高だ! すごい演奏だ!」と夢中になって嬉しそうな彼の隣で一緒にディランを聞いているのは、夢のような幸せだった。 笑顔が何より素敵な人だったから。

Bob, Thank you so much for giving us a lot of memories with you.
He has been your very big fan from his school days, and forever.

     *          *          *

一貫した姿勢を貫き通すとかこだわりを崩さないとか、そんな偶像化や神格化したい向きの期待とは異なって、自分の気持ちに素直で他の誰がどう思うかなど、ディランには関係ないことなのだろう。 私には、ノーベル賞に纏わる一連の行動も、そんなディランの心持が感じられるように思える。

ディランの日本公演には必ず駆け付け、ディラン関係のものはひとつ残らず揃えているようなこのコレクションに浸れば、私の中の彼は一層生き生きといてくれるだろう。
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桜追い 君追い歩く 花霞

2年前の4月1日、
「桜、見に行くか?」
といって、いつも通り長い足ですたすたと前を歩き振り返りもせず、私はひたすら速足で追いすがっては、はぁはぁしながら、あれやこれやと話しかけていました。

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でも、喋りながら歩くというのは、彼にとっては既に厳しいことだったのです。 聞き流しているのか、返事がしんどかったのか、一方通行の会話でした。 どんな気持ちでこの日の桜を見ていたのでしょう。 何を考えているのかなぁ・・・と、いつもいつも背中を追ってばかり。

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パスワードでロックされたスマホに残る彼の撮った桜を見ることは、もう出来ません。 私の写真を撮っていてくれたかも分かりません。 肩にかけていたこのバッグ、よく見たら、この1月、私に、
「これ、使っていいよ。 お、カッコイイじゃん」
と言って渡してくれたものでした。 今年は私が肩にかけ、一緒に桜を見に行きましょう。
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2017年04月04日

桜追い(二)八国山

入院費の精算に訪れた病院の帰り、病室から毎日二人で、
「少しピンクになって来たかな?」
「雨が降って暖かくなれば早いんだけどね」
そんな風に待ち遠しく眺めていたあの桜の木の下に立ってみた。 

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「やっと咲いたね、やっと一緒にみられたね」
右手には私にだけ分かる主人の手がしっかりと握られている。

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「一分か2分咲きかな。 近くで見るには一番きれいな頃ね」
「そうだなぁ ホントきれいだなぁ」

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「幹に直接咲くのはキモチワルイとか言ってたけど、観察するにはいいのよ」
そんなことを言いながら、パチリパチリと写真を撮る私のことを、
「『まただよ・・・』と言いながらも、そんなに嫌そうでもなく見ていたんだよ。 待っててはくれなかったけどね。」
「何でも興味を持ってのめり込んでいくとこ、好きだったんじゃないかな」
と、ケロから最近聞いた。 

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「16年前の手術の後、この道を点滴をぶら下げてリハビリに通ったね。 あんな大手術の後なのに、早く復帰してやろうと言う気迫を感じてた。 ホント、ずっとずっと頑張ったよね」

 透き通るような若葉が青空に映えて、
「若葉の君って呼んでいたの、覚えてる?」
「覚えてる・・・ふふっ」

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「柔らかそうな蕗ね、今年はバッケ(ふきのとう)摘みそこなっちゃった」
「天ぷら食べたかったなぁ。 もう無いかな?」
もし、あっても薹が立ってとっくに花が咲いてると思いつつ、下を探すと、

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タチツボスミレやショカッサイ(諸葛菜/紫花菜、花大根、大アラセイトウとも)が咲いていた。
こんな散歩道で美味しそうな春の味覚が取り残されている訳がない。

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例の如く、呆れ顔の主人に待ってもらいながら、コマコマと観察し写真を撮りながら尾根道に上がった。(観察記録はまた別の機会に)

P4043946 (210x140).jpgP4043945 (210x140).jpg 尾根道を挟んで、南側(写真左)が東京都、北側(写真右)が埼玉県所沢市の管理下にある。
低い擬木の柵の南側と有刺鉄線付きのフェンスで囲われた北側、色々な事情が垣間見られる光景だ。

山から下りて線路沿いの道に出ると、ふわっとハチミツの匂いに包まれた気がした。

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満開の菜の花の中で、ミツバチたちが懸命に蜜を集めて飛び交っていた。
「ぼんやりしてばかりいないで、すべきことを一つ一つやっていかねばね。」
「わるいなぁ、よろしくね」
「困ったときは、ちゃんと助けてね」

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まだ植え込まれたばかりの細い枝にちいさな花が揺れていた。 
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2017年04月01日

桜追い(一)狭山公園など

今年も思いは別格にして変わらず、様々な桜を追いかけます。

2017-02-20
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カワヅザクラ【河津桜】寒緋桜×大島桜 自然交配種

2017-03-15
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シナミザクラ【支那実桜】中国原産野生種 暖地性桜桃(さくらんぼ)長い雄蕊が目立つ

2017-03-28
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左:カンヒザクラ【寒緋桜】台湾・中国南部〜東南亜原産 野生種 
右:ソメイヨシノ【染井吉野】

2017-03-30
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エドヒガン【江戸彼岸】?

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エドヒガン「ベニシダレ」【紅枝垂】?

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ソメイヨシノ【染井吉野】江戸彼岸×大島桜

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ヨウコウ【陽光】天城吉野(染井吉野系)×寒緋桜 寒緋桜の血を引き、早咲きで赤味が濃い

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ジンダイアケボノ【神代曙】天狗巣病に弱い染井吉野に代わる後継種とされる 染井吉野より花がふっくらとしてやや大きく赤味を帯びる

桜追いをする内、春雨がぽつぽつ・・・森の中で雨宿りをしていると、

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大きな啄木鳥、アオゲラが現れました。

そっと静かにしていると沢山の鳥たちも雨宿りに集まって来て、賑やかに鳴き交わし出しました。 目の前をタヌキが横切ってドキドキ・・・動物たちも雨降りに慌てているのかな。

頭の上には白い傘をひろげたようなコブシ【辛夷】の花
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足元には、可憐なコスミレの花
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一緒に今年の初桜を見たあの2月20日から、余りにも忘れ難き3月が過ぎ去り、すっかり春4月になってしまいました。 心だけはいつでも2月のあの日に戻れるのに。 
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2017年03月31日

事がうまくいかない時

事がうまくいかない時は、どこかで歯車が微妙に噛み合わない。 ああ、何だかチグハグしている・・・と感じながら、どうしてなのかその連鎖を止められないで、とうとうここまで来てしまった。

私の手術のタイミングと主人の痛みの始まりのタイミング、どちらか一方だけであれば、違った対応が出来たかもしれない。

私が全ての他事をやめ主人の看護に徹するタイミングの遅れ。 もっと一日でも早くやめてしまい、主人の事だけに専念できていれば、助けられたかもしれない。

これまで看て戴いて来た都心の大学病院から、最初に手術を受けた近くの病院での治療に早く切り替えていれば、助かっていたかもしれない。 何故、あんなに辛い息苦しさを抱えながら遠くまで通い続けてしまったのか。 通院の為の体力をつけようと散歩していたなんて・・・思い出しても可哀想で胸がえぐられる。

一緒に見ようと注文したビデオ6本が届いたのは、入院した翌日。 まだ封も切らぬまま。 入院中にそして退院後の生活の為に思って注文した、ペットボトルの水、ぬれマスク、とろみづけの調整食品、寒天粉、レモン、りんご、オレンジ、焼き立ての美味しいパンを作る為の色々な小麦粉やイーストやレーズン、ふわふわのカステラを焼いて食べて貰う為の木枠、口中保湿剤、乳酸菌処方マウスウオッシュ等々・・・ こんなものが届いたのは、入院後や既に旅立ってしまった日の午後だった。

いやいや、こんなことを幾ら考えて堂々巡りをしていても自分を責めても、最早起きてしまったことを取り消すことも、時を巻き戻すこともできはしない。

これらはみんな、主人が私に残してくれたメッセージ。
「すべきと思ったら躊躇するな。 すぐにやれ。 チャンスを逃すな。」

主人の入院費の精算の帰り、受付で体の不調を相談すると直ぐに急患扱いで診て戴くことができた。 胸が重苦しかったのは精神的なものだけではなく、治療を受けることになった。 主人が助けてくれたのだ。

ああ、今日で一生忘れることの出来ない 2017年 平成二十九年 三月が、終わる。
明日は、四月。 新しい清らかな風に吹かれて、少しでも賢い道を歩み始めよう。
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心も身体も苦しくて

 この日は、入院費の精算、市役所への届け出などをしなくてはならなかったが、病院に3泊続いて葬祭センターに4泊と、殆ど家に戻れない生活をしていたツケが回って来たのか、胸に鉛の重石を載せられたような苦しさがずっと取れない。 

 折角病院に来ているのだからと思い切って受付に症状を伝えると、急患扱いで診て戴けることになった。 レントゲンの結果、肺に刷毛では居たような白い影があり気管支肺炎の疑いありと言われた。 気管支炎なら分かるが、気管支肺炎とは初耳で不安になり益々胸が苦しくなる。 主人を肺炎で失ったばかりなのに、私まで肺炎に・・・? 肺炎って伝染らない筈では? 抗生物質などを処方され、数日後に再び診断を受けることになった。 

 市役所に行く前に心を落ち着けようと、主人が退院したら一緒に行ってみようと思っていた川沿いの可愛らしいカフェに寄った。 
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桜の季節のランチは、いつも我が家で食べているような家庭的なおかずだけれど、こうして木のお盆に盛りあわせたら何だかお洒落っぽくなるものだ。 元気に沢山食べられるようになれたなら、もっともっと心躍るような食卓にして、美味しいものをいっぱい食べさせてあげたかった・・・。 零れ落ちそうな涙と一緒に貰ったばかりの薬を飲みこんだ。
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2017年03月30日

銀河鉄道発車台?

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湖畔を辿って散歩の途中、見慣れた風景の中に突如現れた違和感!

ああ、何にでも始まりと終わりの時がある。
どれだけ大勢の人々の歓声と恐怖を背負って、このジェットコースターは駆け抜けて来たことか。
私の見た最後の姿は、まるで銀河鉄道の宇宙へ向けての発車台のように突き抜けていて、何だか哀しくなくて良かった。
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一緒に見た桜と花芽の今

2月20日、明日は都心の病院までPETを撮りに行かねばならないので、17日から始めた体試しの散歩に出ました。 冬枯れだった森の木々の芽が膨らみ、ほんのり緑色に染まって来たようで、
「もう春の気配だね」
と、ゆっくりの歩みを留めては休み、気持ちよさそうに外の空気を味わっていました。
「今年は雨が少ないから桜の花は小さ目かなぁ」
そんなことを話しながら歩いていたら、早咲きの河津桜の咲き始めをみつけました。
「河津桜は寒緋桜の血を引いているから、赤味が強いんだよ」
などという私の話などは、いつも通り
「ふ〜ん」
でしたが、その隣の木の花芽を見て珍しく、

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「これは何?」
森林インストラクター等と言いながら、恥ずかしいことにその時、私は即答できず、
「あれ、ナンダロウ? キブシでもないし、先の芽に残っている芽鱗の形はリョウブのナポレオンハット(下の写真参照)に似ているけど幹の模様や他の様子は全然違うし・・・」
と、うろたえるばかり。 
「ああ、情けないなぁ これから毎日見に来て、何の木か突き止めるからね!」
けれども、その一緒の散歩が、あと僅か2日で終わろうとは・・・。

この日、病院に明日のPETキャンセルの電話をしました。 
この時、必要なことしか告げない主人の手から電話を奪い取り、主治医にもっと主人の病状の辛さを訴えていたら助かっていたのではないか・・・と幾度思い返しても、もう時は逆戻りできません。 ああ、本当にドラえもんがいてくれたら、どんなにいいかと。

3月30日、諸手続きの間にぽっかりと空いた1日、陽気に誘われ右手を他の人には見えない彼の腕に預けながら散歩に出ました。 あの日あの時、あのベンチに一緒に座ってアトリを眺めて・・・等と思うと、胸が押しつぶされそうになりますが、『そうだ、あの花芽はどうなっているかな?』の謎解きの好奇心の力で前に進むと、ぼうっと黄色の光に包まれて咲いていたのは、春に先駆け主人の故郷の北国の言葉で『まんず咲ぐ』が語源の「マンサク」の花でした。 

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黄色の細長いひらひらの花びらが実り豊かな稲穂のようで、「豊年満作」にも結び付いたのかもしれません。

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左:一つの花は、黄色で細長い4枚の花弁、赤い4裂萼片、雌蕊1本、雄蕊4本から成る
右:未だリョウブのナポレオンハットに似たお帽子(芽鱗)をかぶった芽

花言葉:「霊感」「ひらめき」「神秘の力」「幸福の再来」 

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カワヅザクラは、すっかり葉桜かと思いきや、まだ葉陰にお花が残り、その横では小さなさくらんぼが育っていました。 私がぐずぐず情けなく踏み留まっていても、季節は確実に移ろっていくのですね。

posted by 山桜 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月28日

FORGET-ME-NOT

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哀しみに浸る間もなく色々な所要の為に出掛けなければならない日々。 でもいつも一緒に付いて来てくれています。 さっき桜を教えて貰って、うきうきと帰宅してふと庭に目をやると、去年のこぼれ種から庭のそこここに勿忘草(ワスレナグサ)の小さな青い花が咲いていました。

 「忘れないでね・・・」
 「覚えていてね・・・」

 「まぁ、すっかり心配性になったのね」
 「忘れられる筈がないでしょう」
 「これからもいつもずっと一緒に傍にいてね、ありがとう」
 
posted by 山桜 at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

桜、咲いてるよ

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「ほら、ここ、桜が咲いてるよ・・・」

少し暗くなって来た郵便局からの帰り道、耳元であなたが教えてくれました。
頭の上の高い所に咲いていた、二輪の仲良し桜。
私だけなら見逃してしまうところでした。

「桜が咲いたら、一緒に見に行こうね」の約束を守ってくれて、ありがとう。
posted by 山桜 at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あなたのために

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旅立ちの日、あなたのために庭の花を摘みました 
帽子も花も似合う、お洒落で素敵なあなたへ
私が大切に育てた花をみんなみんな捧げたくて


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2017年03月27日

君逝きて花の春

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私が恋焦がれ愛し続けた最愛の人が、「一緒に桜を見に行こうね」の約束も果たせぬまま、16年の病との闘いの末にとうとう浄土へ旅立って逝ってしまいました。

北国生まれの性格からか余り言葉や態度に表さない人で、追っても追っても心の奥底の読めないもどかしさに悩まされましたが、最後の半年程は一日中傍を離れず生活し、すっかり優しく朗らかに良く話す人となり、結婚してもうすぐ30年もの間、一度でいいから言ってくれたら・・・と願っていた言葉もようやくかけてくれるようになって、本当に心から幸せな日々でした。 

2月の末に入院後、少しずつ快方に向かっていたのに、容赦ない病の手が忍び込み急変し、お彼岸の最中に向こうの世界へと渡っていってしまいました。

今はもう、思うままにならないことの多かった身体を抜け出て、元通りの颯爽とした姿で自由に飛び回れていいると思うと、寂しさの中にも救われる思いがいたします。 実に安らかな微笑みをたたえたお顔でのお別れでした。

主人が旅立って数日後の3月22日(水)は朝から雨模様、何日も葬儀の日を待つ主人の枕辺で一人、後から後から湧き出てくる思いを携帯からこのブログのコメント欄に打ちこんでおりました。 そちらにコメントを下さった方々、ありがとうございます。 ずっとお返事も出来ずにいて、すみませんでした。

さきがけの河津桜を愛でし日は花より先に旅立つを知らず
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:02

ちちははの手をとり歩む幼子に遠き幸せ偲びて祈る
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:17

枕辺の桃花一つほころびて君の笑ふる気配ぞ嬉し
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:22

亀のごと歩む一歩の意志つよく治るものと信じたものを
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:29

久方の家に戻れば何一つ変わらぬままに君はもどらず
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:34

突然に半身をもがれし我が心むすめの愛の雫が満たす
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:40

父亡くし母くずれるを健気にも支える亜子に君の面影
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:43

白絹の下で変わらぬ微笑みに夢なら醒めよと幾度呼び掛け
    Posted by 山桜 at 2017年03月22日 14:52


今日もまた、朝から優しい雨が降り、何か歌えと囁かれているようです。 ああ、少し、薄日が差して参りました。

君去りし庭の花々次々とここにいるよと吾(あ)を呼び笑ふ 山桜

これからも、いつもいつも一緒に生きていくよと言ってくれているようです。 いつか私を迎えに来てくれる日その時まで。 合掌


花より君の心を読み取れればと願いつつ・・・
雪割草の花言葉:
「あなたを信じます」「信頼」「期待」「和解」「自信」「優雅」「内緒」「はにかみや」「悲痛」「少年時代の希望」

すももの花言葉: 
「誠意」「誠実」「幸福な日々」「甘い生活」「誤解」「困難」

posted by 山桜 at 18:06| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月17日

久し振りの散歩が・・・

投薬期間から休薬期間に入り、少し家人も元気が出てきたようで、春の気配に誘われて久しぶりに外に出てみました。 庭の花々も気づいてあげられぬ内に花を開いていました。
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サンシュユ(山茱萸)/ハルコガネバナ(春黄金花)

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常緑冬咲きクレマチス ホワイト・エンジェル

一足一足と元気なお年寄りに抜かれてしまう程の亀の歩み、それでも少し歩くだけで息切れを感じて休み休み、やっと辿り着いた陽だまりのベンチで空を見上げ、弱いながらも深呼吸し、
「やっぱり外は気持ちがいいな〜」

アトリの大群を教えると、
「あ、鳥!」
などとふざけるのは元気な時と変わりません。

表情も明るくなって、自然の力は大きいなぁ・・・と嬉しくなり、その後数日散歩に出たのですが、段々と歩ける距離が短くなり息苦しさが増し、一週間後に近くの病院を受診、即日入院しなければならないことになってしまいました。 気を付けていたのですが、高い熱が出なかったので気づくのが遅れてしまいました。 一番傍に居たのに、こんなことになり可哀想で責任を感じています。 少しばかり元気になったと言う時こそ、油断大敵です。
posted by 山桜 at 00:00| Comment(22) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

アトリのアタリ年

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 家人と散歩に出て、陽だまりの広場のベンチから冬景色を眺めていたら、ザザ〜ッと羽音と共にものすごい数の小鳥が舞い降りました。 初めは雀の大群?思いつつ、どうも色合いも様子も違うのでそ〜っとギリギリまで近づき手持ちの携帯で撮影、図鑑で調べて「アトリ」と分かりました。 今年はアトリのアタリ年ということで、その後各地からも沢山の飛来情報が聞こえてきました。

 シベリア方面から最初の渡来地(東北の日本海側など)へ舞い降りる時は、なんと数万羽の大群のこともあるそうです。 そこから各地へ分団となって飛んで行きます。 当地でもざっと100羽程はいたでしょうか、カウンター等も持っておらず、適当な記憶ですみません。

 カスミ網猟が禁止される以前は、ツグミと共に冬の食用鳥として捕獲されていたので、「獦子鳥=猟子鳥」また、枯れ木に大群でとまった様子が花が咲いたようだからか、はたまた桜の花を啄むことからか、「花鶏」とも書いて「アトリ」と読ませています。

 アトリの名は、蘇我稲目の女の第三子が日本書紀では「朧嘴鳥皇子(あとりのみこ)」・古事記「足鳥王(あとりのみこ)」とあるのが初出の表記の記録とのことで、古い時代からの呼び名ですね。 

 大群をなして飛来することから「集鳥(あつとり)」が語源で、漢字は朧月の頃に飛来し、地面に降りて(足で歩いて)良く餌を啄むという意味や音を当て嵌めたものでしょう。 古くは「アットリ」とも呼ばれていたそうですが、今は「アトリ」で統一されています。

 次はいつ飛来するか分かりませんので、今年の内によ〜く観察しておきたいです。
posted by 山桜 at 16:41| Comment(4) | TrackBack(0) | 自然観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月01日

初日の出・曙富士

 
 平成29年 2017年 あけましておめでとうございます。
 雲一つない快晴の夜明け、近くの湖の堤防に駆け上がり、心に染み入る様な眩しい初日の出を拝むことが出来ました。

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 ふりかえれば湖畔は朝日を受けて曙色に染まり、奥多摩の山々がくっきりと浮かびあがり、
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 富士山も束の間のモルゲン・ロートに染まって・・・
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 と思う内に忽ち青空に真白に聳える堂々たる富士の姿に
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 東に天照大御神さま、西に木之花佐久夜姫さま、鎮守の氷川神社に素戔嗚大神さま を拝し、新しい歳の息吹を身体いっぱいに受け取り、新年の始まりです。

 昨年は、年頭から年末まで「驚き」と「人生の転機」の連続で、今まで生きてきた中で最も短く感じた一年でした。 特に11月以降は、クリスマスも年賀状のこともすっかり忘れてしまう程、一意専心に過ごした年末でした。 

 そんな「去る」歳も過ぎ去り、「とり」歳を迎えられました。 悪しきことは「取り去り」佳きことは「取り込み」のできる一年でありますようにと願っております。

 皆さまにとりましても、健やかで笑顔多き歳となりますよう、お祈り申し上げます。

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初日の入り 夕日に浮かぶ影富士

posted by 山桜 at 23:45| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする